「~するべき」ではなく、できることから
南 マクロビオティックは、健康のための食事法ではなく、生き方そのものだということですね。だからこそ「マクロビオティック」は難しそうと感じる人もいたり、以前はもっと「~するべき」という厳格なイメージが強かったと思います。でも中先生の指導は「できることからはじめよう」とたいへんゆるやかなイメージですね。中 マクロビオティックを普及する、「広げる」ことは大切ですが、「続ける」ことも大切です。私も15年間続けてきて、その間に「マクロビオティック」のよさは分かるけれども、続かないという人にもたくさん出会いました。私も厳格にしていた時もあるんですよ。でも、例え料理教室で玄米のおいしさやすばらしさを伝えても、「玄米を炊くためにはこんな道具が必要です」と言うと、中には「じゃあ、無理ね」と続かない人もでてきます。
主人と「どうして続かないのだろう」と、二人で考え続けました。そして、理想を追求するのは大切なことですが、ますは続けやすいことからスタートし、段階的に理想に近づけるようにしていく方が確実に広げていけるのではないかと思いいたったのです。
まずは「月に1度でいいから、マクロビオティックの料理を食べてみて」。そしておいしいと思えたら、「食べに来たついでに習ってみない?」というように、できそうなところから始めてもらうようにしたのです。
南 確かにいくらすばらしいことだと頭でわかっていても、無理をしては続かないですよね。
マクロビオティックで自分を大切に
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中 私は、以前は心理カウンセラーの仕事をしていたのですが、ストレスコントロールがうまくいかなくなった人とたくさん出会い、人がもっと元気になるにはどうしたらいいのだろう、と考えていました。
ある時友人から、おもしろいお店があるよと教えられて出かけたのが、夫である中広行との出会いです。お店に行くと、彼は「食べ物を変えると、人生が変わる」と話してくれました。私は「そんな簡単な事で人が変わるものならやってみよう」と料理を習い始めたのがマクロビオティックとの出会いです。
南 マクロビオティックに出会って、一番変わったと感じることは何ですか?
中 たくさんあって絞りにくいのですが、最も大きなことは「自分を好きになれたこと」でしょうか? 昔は、自分の事が大嫌いだったんですよ。
南 イキイキと活動されている今のお姿からは想像できませんね。
中 昔は自分のダメなところばかりが目についていたし、結婚もしたくないしと、ネガティブな事ばかり考えていました。
南 私は、先生と同じ年なのでわかります。私たちが大人になった頃、環境問題も取り上げられ始め、また女性は仕事と家庭を両立するのも難しい時代で、未来に希望をもてなかったように思います。
中 それが、マクロビオティックを学ぶことでポジティブなモノの見方ができるようになり、ありのままの自分でよいことがわかったし、不安もなくなったんです。