食と健康/健康レストラン・食ニュース (関西)

ベランダからプチ自給率UPを推進「空畑クラブ」(2ページ目)

近年食や農の様々な問題がクローズアップされています。「プチ自給率アップ!」をキャッチフレーズに、都市生活者が楽しく取り組めるプロジェクトを推進する「空畑クラブ」をご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

人とつながりあいながら、楽しく農を学ぶ

空畑ベンキョウカイ
私が参加した「空畑ベンキョウカイ」では、土作りがテーマでした。
もちろん農業というのものは、そう簡単にできるものではなく、多くの化学知識や知恵や技術などが必要です。けれどもそう言い切ってしまえば敷居が高くなってしまいます。またすでにお庭やベランダで、自家菜園されている人はいることでしょう。では、「空畑クラブ」に入ることで、どんなメリットがあるのでしょう。

例えば、これまでまったく土に触れたこともないような都会の生活者が、気楽に挫折しないで長続きできる、それもちょっとココロひかれるオシャレな感じで楽しめる・・。そんな環境を提供するのが「空畑クラブ」です。

現在、空畑クラブでは、月に一度都会のベランダでも作れる野菜づくりの基本を学ぶ「空畑ベンキョウカイ」を行っています。またその後の交流会では、おいしい食事をいただきながら、それぞれ会員が自宅の空畑で育てている作物の栽培状況を報告し合ったり、成長過程における疑問点や害虫対策など困っていることを相談しあうことができます。また交流会に来れない人には、webで相談をすることもできるなど、「一人」ではなく「つながりあって」いることが最大の魅力なのだと思います。

見学会
大阪市内にある空畑達人の空畑での見学会。
そんな「空畑クラブ」には、こうしなければならないという厳しい会則があるわけではなく、「空畑ベンキョウカイ」に来たい時に参加すればOK。講座の内容も、本当に何もしらない人が一から始められるように、種まきや土づくりなど、低いハードルを超えるところからスタートです。

私も、土作りの「空畑ベンキョウカイ」に参加しましたが、限られた土地や労力で、いかに効率よく何種類もの土をむらなく混ぜ合わせるかというテクニックなどは、農家さん直伝のすばらしい知恵が詰まっていて、とても参考になりました。

また気楽に参加できるゆるやかなムードでありながら、伝統野菜など大阪府内の野菜を栽培し地産地消につながるように、またF1種(人為的に開発され一代限り)ではない固定種を使用する、オリジナル栽培キットのプランターは吉野杉の間伐材をしようするなど、こだわりはしっかり守られています。

交流会
「空畑ベンキョウカイ」の後は、おいしい野菜料理を囲んで交流会。
現在、会員登録数は180名。ビギナー向けの「空畑ベンキョウカイ」の他にも、自然農塾、「大豆レボリューション」などの講座・イベントを継続的に行っています。「空畑クラブ」の運営スタッフがすべての活動をしきるというより、「自主的にこんな活動もしてみたいというアイデアを提案したり、どんどん協力してくれる人が自然発生的に現れてくれると嬉しい」という、ゆるやかな運営方法が、さらにハードルを低くしている気がします。

講座やイベントに参加された方たちの中には、だんだん農への関心が高くなり、実際に農作業をしてみたいとか、縁農(援農)したいという人たちもいて、現在はそんな人たちを受け入れていただける近郊農家の方とのネットワークを広げている段階。今後は、大阪府の主に遊休農地解消のための、農家さんとの連携による共に耕す体制づくりなどにもつないでいきたいと、構想はどんどん膨らんでいます。

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