食と健康/食と健康の基礎知識

悪い食べ合わせ

日本では、古くから体調に影響を及ぼす組み合わせを「食べ合わせ」として言い伝えられてきました。また栄養学的に吸収を促したり、阻む組み合せもあります。今回は悪い食べ合わせの例をご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

日本では、古くから体調に影響を及ぼす組み合わせを「食べ合わせ」として言い伝えられてきました。また栄養学的に吸収を促したり、阻む組み合せもあります。前回の役に立つよい食べ合わせに引き続き、今回は気をつけたい悪い食べ合わせをご紹介します。古い言い伝えについても、前回の記事をご覧ください。

気をつけたい食べ合わせ


・タンニン
鉄分には、肉や魚などにおおく含まれているヘム鉄と、食品野菜などに含まれている非ヘム鉄があります。ヘム鉄は、お茶の渋味成分タンニンなどによる吸収阻害を受けませんが、非ヘム鉄は、お茶などに含まれているタンニンと一緒にとると、吸収されにくくなります。鉄欠乏性貧血の女性は食中や食後すぐの緑茶の摂取は避けた方がよいでしょう。ただし貧血治療に使われる鉄製剤などについては、従来お茶と飲みあわせてはいけないと言われていましたが、現在はタンニンの影響は受けないそうです。

昔から、食事中はタンニンの少ないほうじ茶や麦茶、またタンニンの多い煎茶、玉露などの高級な緑茶は食間に飲まれていました。しかも煎茶・玉露は、タンニンが出にくい低温でお茶を抽出します。昔の人は、経験として緑茶を健康的に飲む術をよく理解していたのだと思います。

タンニンは、緑茶以外にも、紅茶やコーヒー、ワインなどにも含まれています。

・食物繊維
便秘予防や改善、腸内環境の改善に役立つと言われる食物繊維は、もちろんある程度摂取することで健康に役立つのですが、取り過ぎると栄養素を吸着し、吸収を阻害します。たとえば体に有害な成分を持ち出すメリットがある一方で、食物繊維の過剰摂取は微量栄養素の無機質やビタミンの吸収率を低下させるというデメリットもあるのです。

大人のようにしっかり量を食べられれば問題はないでしょうが、食事量の少ないお年寄りや極端なダイエットをしている人が、食物繊維だけ過剰にとるのは注意が必要です。

・ミネラル+ミネラル
例えば、リンはカルシウムと関係が深く、大量にリンを摂り,腸の中でカルシウムとくっついてしまうと結晶になって吸収されず排出されます。

またマグネシウムも、多量のカルシウムやリンによって吸収が阻害されます。フィチン酸(イノシトールとリン酸が結合した化合物)やシュウ酸などはカルシウム、マグネシウム、亜鉛等のミネラルの吸収を阻害します。

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