現代人の体型の傾向
毎日健康に暮らすために、適正な体型・体重を管理することは大切なことです。2008年から特定健診・特定保健指導がスタートし、「腹囲」や体重管理が厳しくなり、ダイエットに目覚めた人も多いのではないでしょうか。平成19年度の国民健康・栄養調査では、
40~74歳でみると、男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者又は予備群と考えられる者
とあり、その原因は、食生活や運動不足などの生活習慣によると見られています。
その一方で特に若い女性には「低体重(やせ)」や減量志向があり、極端に食べない、あるいは栄養の偏ったダイエットなどからくる体調不良などが深刻な問題となっています。
体形の判定基準はいくつかありますが、よく使われるのは身長と体重をもとに肥満度を算定するBMI(ボディ・マス・インデックス)や体脂肪率です。BMIや体脂肪率などについて詳しくは、「肥満・メタボリックシンドローム」のサイトをご覧ください。
例えば肥満(単純性)の原因の一つは、消費エネルギーよりも摂取エネルギーが多いことですが、消費エネルギーのうちの基礎代謝は、性別や年齢などにより異なります。高齢者は若者よりも基礎代謝が低くなり、若い頃と同様に食べれば肥満を招きますが、同じ高齢者でも活動的な人はそうでない人よりは基礎代謝が高いなど個人差があります。また見た目はやせていても体脂肪率は高い人もいます。
単純に体格や年齢を基準にしてはかれない部分もあり、判定基準はあくまで目安として、継続的に体重やBMIや体脂肪率などをチェックし、変化があればその原因を考えたり改善することが大切です。
肥満とやせのリスクとは?
たとえ肥満という判断が出ても、健康を害するということではなく、例えば脂肪がつく部位によって皮膚の下に蓄積される「皮下性脂肪型」はそれほど代謝に影響を及ぼしにくいといわれています。内臓に蓄積される「内臓脂肪型」は代謝異常賞の引き金となりやすいため、糖尿病や、高血圧、心筋梗塞、痛風、脂質異常賞など多くの生活習慣病につながりやすいとされています。
また「やせ」は「肥満」よりはいいだろうと思いがちですが、リスクもあります。国民健康・栄養調査では、女性の20~40歳代においては低体重(やせ)が増加傾向にあります。
深刻な「やせ」状態が長期間続くと、貧血や疲労感、冷えからくる頭痛や月経不順、骨密度の低下などを招きやすくなります。
また女性に限らず、厚生労働省研究班の多目的コホートやその他の研究でも、肥満者同様にやせ過ぎの人も死亡リスクが高くなるという調査結果があります。