地形によって異なる
開発の歴史を知っておこう
多摩川沿いには眺望と開放感を楽しめる住宅などが建てられている
府中市の住宅事情を考える上で知っておきたいのは府中市の地形は多摩川によって大きく影響を受けているということです。ご存知のように府中市は南端に多摩川が流れています。そして多摩川沿いには約1.7kmに渡って平坦地が広がっているのですが、そこから東西に高さ6~7mほどの崖線があり、崖の上はまた平坦地。立川段丘と呼ばれる台地です。
京王線分倍河原駅から南武線分倍河原駅と段丘崖下を見たところ。同じ駅と言いながら段差があることが分かる
地元で50年近く不動産業を営む
守屋商会の槇ヶ垰(まきとうげ)さんによると「この土地の高低差は古くから坂上、坂下と称されており、坂下に主要駅がなかったこともあって、これまではあまり開発が進んでいませんでした」。そのため、坂下エリアはこれまで価格的にお手頃で買いやすい地域とされてきました。最近では分倍河原駅の、坂下にあたるエリアにショッピングセンターが誕生、人気が上昇するなど開発に従って意識は変化してはおり、価格差もやや縮小していますが、それでもまだ買いやすさにはかなりの差がありますから、覚えておきたいところです。
市内の武蔵野線駅は府中本町と北府中だけ
さて、その土地の高低と各路線、各駅の位置を表したのが以下の地図。図にある通り、武蔵野線も通っており、市内に北府中駅もあるのですが、ここは東芝の広大な工場と府中刑務所のための駅といった感があり、あえてこの駅周辺で住宅を探す人は多くないだろうという判断から今回は取り上げていません。また、賃料については特別に物件を上げている場合を除き、最後にまとめて解説してあります。
今回取り上げているエリア、路線、駅等の概念図
府中市内の各路線、各駅と多摩川、立川段丘崖の位置(緑の点線)と市内の主な施設、公園などの概念図。距離、方角その他は必ずしも正確ではない
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京王線府中駅周辺を取り上げます。