施設に任せればもう安心!というわけにはなかなかいかないのが現実。入所にまつわるトラブルはいろいろあります
特別養護老人ホームはお年寄りにとって終の棲家。それだけに預けている側としては、心配なことも多々ありますよね。もしもこんなトラブルに見舞われたら、どうすればよいのでしょうか。今回は、「介護トラブル相談ハンドブック(新日本法規)」から、契約問題の専門家の意見を取り上げてみました!



Q1.申し込みをしたら「入所は数年先」と言われてしまった…


現在、脳梗塞の後遺症を持つ母と二人暮しをしています。日中は勤めがあるので、これまでデイサービスやデイケアでどうにか在宅介護を続けてきました。ところが先日、室内で転倒してしまい、以来、寝たきり状態に。ちかくの特別養護老人ホームへ入所を申し込みましたが、「待機者は200人近くおり、入所は数年先になる」といわれました。仕事が忙しいので、他の施設や介護サービス事業者を探そうにも、なかなか時間がとれません。なんとか早く入所できないものでしょうか。ちなみに母は要介護5です。

A.以前、特別養護老人ホームへの入所は申し込み順に行われましたが、現在は必要度の高い人から優先的に入所させることになっています。各施設に、入所の必要を判断するためのガイドラインがあるので、確認してみましょう。それでもダメなら、他の市町村のベッドの空き情報を入手して検討するようにします。あるいは、老人保健施設や介護療養型病床も視野に入れて施設探しをするとよいでしょう。いずれにせよ、まずはケアマネージャーに相談を。

Q2.入所中にケガしたのに、施設が責任をとってくれない…


父は特別養護老人ホームに入所して5年。先日、廊下ですべって転びかけたのですが、職員があわてて手を貸そうするのを、いきなり猛烈な力で振り払いました。おかげで足を滑らせ、大腿骨を骨折。認知症が進んでおり、「危害を加えられる」と勘違いしたもののようです。賠償してほしいと施設に掛け合いましたが、施設は「うちには責任がない」の一点張り。保険請求の交渉もしてくれません。

A.施設には安全配慮義務というものがあります。違犯と認められる場合は、施設は入所者に損害賠償しなくてはなりません。しかし、入所者側に故意や過失など、落ち度があると認められる場合は、全面的に事業者に責任を問えないことがあります。お父さんの場合は認知症が進んでいるため、過失相殺の対象となるかは微妙なところ。施設が損害賠償保健に加入しているなら、直接、保険会社と交渉してみてはどうでしょう。それでも納得がいかなければ弁護士に相談を

Q3.施設を訪ねてみたら一日中おむつをしていた…


要介護4の父は遠方の特別養護老人ホームに入所しています。先日、4ヶ月ぶりに訪ねたら、いつのまにか日中もおむつをさせられていました。でも様子を見ていると、介助のやりかたによってはまだなんとか自力で排泄できそうなんです。おむつ交換は頻繁にしてくれているのですが、家族としてはちょっとひっかかるところ…。こうなった経緯を施設側に聞いてみたいのですが、お世話になっているのだし、「たまに来て勝手なことを」と思われそうで、つい言い出せませんでした。どうしたらいいでしょう。

A.特別養護老人ホームでは心身の状況に応じ、適切な方法で排泄の自立を支援することになっています。この場合はおむつをすることが必要なケアなのか、人員体制など施設の都合によるもなのか、はっきりとしません。思い切って担当職員に話を聞いてみてはいかがでしょう。介護のプロとしての意見を求めれば、ちゃんと答えてくれるかもしれません。施設の運営基準でも、介護の方針や内容を家族に理解しやすいよう説明をしなければならないことになっています。

もしも納得がいなければ施設の苦情受付窓口に申し出を。それでも要領を得ない場合は、施設の苦情受付担当者、苦情解決責任者第三者委員に事情を話します。ケースによっては、さらに市町村や国民健康保険団体連合会、都道府県の社会福祉協議会運営適正化委員会にに苦情を申し立てることもできます。外部に言うと角が立つのでは、と思われるかもしれませんが、こうしたことで入所者が不利益をこうむるのであれば、それ自体が問題です。


さていかがでしたか。施設介護の問題で頭を抱えている人はぜひ参考にしてみてくださいね。介護にまつわるさまざまなトラブル対策、今後もご紹介してまいります!

出典:介護トラブル相談ハンドブック(新日本法規)

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