年をとればとるほど、自分の歯で咀嚼するのは難しくなるもの。また、唾液量も少なくなり、食べたものを飲み込む(嚥下する)ことすらままならなくなります。そんなお年よりの食事づくりに欠かせないのが、手軽で便利な介護用食品。忙しい介護家庭にとっては強い味方です。
とはいえ、悩みもありました。商品を選ぶときに決め手となるのは、その人の咀嚼・嚥下能力に適した大きさ・柔らかさかどうか、ということ。ところが、メーカーによって表示方法が異なっていたため、混乱する消費者が少なくなかったのです。そこでこの秋から登場するのが「共通の区分表示」。メーカーに関わりなくすべての介護用食品を「ユニバーサルデザインフード」という名にあらため、咀嚼・嚥下能力の区分を明示する予定。目印は上のロゴマーク。一度にすべての商品に適用することはできませんが、じょじょにパッケージ変更を進めるそう。
■□■区分表示
咀嚼能力 | 嚥下能力 | |
?容易に噛める | かたいものや大きいものはやや食べづらい | 普通に飲み込める |
?歯茎でつぶせる | かたいものや大きいものはやや食べづらい | ものによっては飲み込みづらいことがある |
?舌でつぶせる | 細かくまたはやわらかければ食べられる | 水やお茶が飲み込みづらいことがある |
?かまなくてよい | 固形物は小さくても食べづらい | 水やお茶が飲み込みづらい |
このほか、食べ物や飲み物にとろみをつけて飲み込みやすくするための食品には、「とろみ調整」マークを表示。適切な食品かどうかが一目でわかるように配慮されます。
次のページでは、具体的にどんな食品が該当するのかを見てみましょう。