毎日1個のリンゴでアルツハイマー病などの痴呆(認知症)が予防できる――。米国のコーネル大など、米韓共同チームによる研究で、こんな結果が明らかとなりました。
なぜリンゴが痴呆を防ぐの?
カギとなるのは、リンゴに多く含まれるケルセチン。高い抗酸化作用を持つ物質です。活性酸素は、細胞や遺伝子を傷つける凶悪犯。ガンや動脈硬化ばかりではありません。老化や痴呆(認知症)も、この活性酸素によって起こりやすくなるのです。ケルセチンの抗酸化作用は強力に活性酸素に働きかけるため、痴呆(認知症)予防が期待できる、というわけ。
ケルセチンによるこうした働きには、以前から注目が集まっていましたが、
今回の研究ではマウスの脳細胞を過酸化水素にさらした状態で実験することで、高い抗酸化作用で知られるビタミンCより、さらに高い効果が確認されました。「1日1個のリンゴで医者いらず」と言われますが、まさにリンゴパワー、侮るべからず!なのです。
どんな食べ方が効果的?
老化や痴呆(認知症)を防ぐリンゴの食べ方――それはズバリ、「皮ごとがぶりと食べる!」に尽きます。
同チームの実験結果によれば、「新鮮なものを生のまま皮ごと食べる方」が効果が期待できるのだとか。これは、ケルセチンをはじめとするポリフェノールが皮に多いため。ちなみにケルセチンは、花粉症にも効果大。悪玉コレステロール退治にもよいそうですよ。
長持ちする保存方法は?
「低温」「湿度やや高め」が長持ちの秘訣。冷蔵庫にそのまま入れると、水分が蒸発してしまいます。しっかりポリ袋に入れ、口を閉じておきましょう。
長期保存するときは、ポリ袋の中に新聞紙を入れて。リンゴが呼吸する際に発生する水分や炭酸ガスを吸収させるようにすると、みずみずしい味を長く楽しむことができます。
どんなリンゴを食べればいい?
味がよいのは、直射日光をふんだんに浴びた「無袋(むたい)リンゴ」。これまでは、1個ずつ袋かけする「有袋(ゆうたい)リンゴ」が数多く育てられていましたが、最近では「甘くなるから」と袋をかけないものが増えてきました。表面がつるっとしておらず、少々ザラザラしているのが特徴です。
ただ、皮ごとガブリ!となると、心配なのが農薬。とくにリンゴは炭疽病、輪紋病といった病害が多く、化学薬剤を散布されていることが多いのです。ここはぜひとも、残留農薬などの心配がない、有機農法や無農薬農法によるリンゴを入手したいところ。有機JASマークが貼られたものなら安心ですね。
有機農産物のJAS規格 ・種まきをするより2年以上前から農薬や化学合成肥料を原則として使わない ・遺伝子組換えの種を使わない |
さて、いかがでしたか?新鮮かつおいしいリンゴで、いつまでも若々しい脳を保ちたいものですね。
【参考文献】
2004/11/18 読売新聞
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