/薬の基礎知識

専門用語解説「用法」 1日1回vs1日3回(2ページ目)

お薬を飲むのは食事の後、1日3回なのが一般的でした。でも最近は1日2回や1回飲めば24時間効いている薬もあります。これって何が違っているのでしょう。

執筆者:赤堀 一仁

▼ポイントは?
ではもう少し具体的にそれぞれの違いを見てみましょう。一番大きなポイントは効果の発現する時間です。緩やかに体を通過する1日1回の薬というのは吸収も穏やかです。そのため、飲んですぐ効いてくるのはどちらかというと1日3回の薬のほうです。

また3回の薬は、1日の量を3回に分けて飲むので一度に飲む量は、1回の薬の1/3量ですみます。何がいいたいのかというと、飲み忘れや多く飲んでしまった時など、1回の薬は体への影響が大きいという事です。そして、万一飲み忘れてしまった時の対応なども同じではない事がおわかり頂けると思います。

▼ふつうの使い方
こうした特長をふまえて、それぞれの薬の使い方を大まかに分けてみると、1日1回飲むように設計されている薬の多くは、毎日継続して使うという用法が一般的です。1日3回の薬ももちろん、毎日飲むのが一般的ですが、症状がひどい時に調整して、ポイントで使う事もあるようです。

▼現実的な問題点
このように飲みかたの種類がいくつもあると、問題も発生してきます。医療用の薬をすでにいくつかお飲みになっていて、この薬は3回、こちらの2つは2回、さらに今回の薬は1回、なんてなったら私だってパニックになって「なんとかならないの」となります。

これは、お薬が渡される薬局で相談してもちょっと手遅れで、医師に確認を取るなど手間と時間ばかりかかってしまいます。同じような薬でもその設計は様々でいろいろなお薬があります。自分の生活スタイルにあった薬の飲み方ができるものが見つかるかもしれません、新しい薬を使うようになった時には、医師に希望を伝えてみましょう。

【ガイドから】
ご年配の方はお薬も多くなりがちです。メーカーは「飲む回数が少ない方が便利でしょ」と新しい製品を開発してきます。でも、いろんな種類の飲みかたの薬がある、という事は逆にユーザーである患者さんにとっては迷惑になってしまう事もあるのです。

患者さんにとって最もよい使い方の薬が見つけられるようになるには、お薬の服用回数の事をあなたがよく知る事と、医師との連携でベストチョイスができるようになる事が大切だと思います。どうしてもまぎらわしい服用方法になってしまったら、薬局で服用ごとに薬を袋に入れるサービスを行っています。ご希望の方は処方する医師、あるいはお薬を作ってもらう薬局でご相談してみてください。
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