もともとお薬は1日3回飲むのが一般的でした。
最近では1日1回でいい薬や3日間飲めば7日間効果が持続する、なんて薬もあります。いったい何がどうなっているのでしょう。

▼少しだけ専門解説
(血中濃度:けっちゅうのうど)
お薬の働きについて、専門用語をひとつ解説しなければなりません。飲んだりして体に取り入れるお薬は、血液にのって体をめぐって働きます。腰の痛みをとる薬だって腰だけに薬が届くのではなく、体全体に行き渡って働いているのです。その働きをコントロールするにはある程度の濃度の薬が血液中になければなりません。ちょっと専門的ですが、この濃度のことを血中濃度と呼んでいるのです。

薬を飲むと、吸収されて体の中に広がり、分解されて体から出て行きます。このサイクルは横の時間軸に対して、縦軸の血中濃度は山の形を描きます。連続して薬を飲んでいるとこの山が繰り返され、頂上と谷の部分が血中濃度の振幅に相当するのです。


この頂上部分での血中濃度が多すぎると副作用のお話しでお伝えしたような中毒症状が起きてしまいます。また、谷の所が少なすぎると充分な治療効果がえられず、薬による治療が無駄になってしまいます。

▼1日3回
血中濃度のことを考えると、24時間を飲む回数で割って、その時間ごとに同じ間隔で飲むのが理想です。でもそれでは寝ている時間にわざわざ起きたり、空腹の時に飲んだりしなければなりません。また、仕事中にも薬の時間を気にしなければならないかもしれません。もちろん、厳密に時間コントロールが必要な薬もありますが、たいていの薬は若干の時間差があってもオッケーです。

そして1日3回、食事のあとに飲むというのが一般的なのは、食事というイベントに連動して飲む事で服用するのを忘れないようにする事、食事の後に飲む事で消化管への刺激や薬の急激な吸収を防いでいる事、などいろいろなメリットがあって考えられてきました。

▼1日1回
ところが最近では、1日1回飲めばよいという薬が出てきています。昼間忙しい方などにはこの方が便利なのかもしれません。こうした薬は、薬が消化管の中で徐々に溶け、ゆっくり体に取り込まれるようにコントロールされていたり、肝臓で分解されてはじめて効果のある成分に変化したり、体の中のタンパク質成分などにくっついたりして、体の中を通り抜ける時間を長くしているのです。この場合、血中濃度は24時間かけて緩やかな山を作っていきます。これまで3回に分けて維持していた血中濃度を、様々な技術を使って1回ですむようにしているのです。

<注意!>
すべてのケースがあてはまるわけではありません。決められた時間に作用するように、24時間にコントロールされていなくてもあえて1日1回で使う薬もあります。