▼推進派の主張は『一般消費者の利便性の為』
前回まで、コンビニで薬を扱えないのはナゼ?という疑問にお答えしてきました。
・第1話「なぜコンビニで薬が買えないの?」
・第2話「薬局とドラッグストアって同じ?」
今回はいよいよコンビニで医薬品を販売できるようにしたい「総合規制改革会議」の言い分の解説です。いったいどんな事を言っているのでしょう?
お話は今月末の決定に向けてどんどん進んでいってしまっています。推進派の主張するポイントは一般消費者の利便性の為のようです。
薬局・薬店で、薬剤師でなければ販売する事ができないように規制されているので利便性に乏しいのではないか?そこの所を緩和して、一般小売業で販売してもいいようにしよう!と話し合われています。
事実、薬剤師がいなければならない薬店でも、実際にはそのルールを守られていないケースもあるようですし、薬剤師から買ったとしてもそんなに心配するような事を確認された事もない、だったら24時間やっているコンビニエンスストアで買う事ができれば夜中に風邪薬が欲しい時には便利になると思うんだけどどう?という提案です。
▼もうちょっと詳しく見てみましょう。
会議が考える医療分野における問題をピックアップすると
・ 供給主体・量と情報の制限により競争が働いていない ・ 価格の公定・保険制度のため供給者、利用者ともにコスト意識が希薄となっている ・ 高齢化に伴い医療保険制度の存続が危ぶまれている ・ 医療の量的拡大を図った結果、人的資源などが分散し、診療ごとの人員配置が手薄になっている |
こうした問題点を考える上で注意した事は
『国民皆保険体制と医療機関へのフリーアクセスの下で「真に国民の求める医療制度とは何か」の追求』わかりやすく言うと「みんなが医療保険に入っている事と、だれもが自由に医療機関を選ぶ事ができる状況を考えながら、本当の意味で望まれている医療はなにか」という点に注意しながら考えてみた。
そして考えた結果はこうなりました。
・ 利用者本位のサービスに向けた医療の効率化 ・ 生活安定のセーフティネットとして安心感があり、効率性、透明性、公平性が確保された制度の構築 ・ サービスの質を維持しつつコストを削減し、医療費の増加が経済と両立可能なものとなるようにする ・ 医療を利用者の選択に基づいたサービス産業のひとつと考え、民間活力の拡充や新たな雇用の創出など経済活性化の原動力とする |
そして、日経ドラッグインフォメーションという専門家向け雑誌に「総合規制改革会議」議長代理として鈴木良男氏のインタビュー記事がありました。その中で「会議としては特例販売業が認められている医薬品販売程度の事がコンビニでも実現できる事を望んでいる。前回の、医薬品15品目の医薬部外品への移行による規制緩和程度ではなく、医薬品の販売が目標である」そして今回は厚生労働省をかなり追い詰めたと自負しているような内容でした。
▼ちょっと説明めんどうじゃない?結局なに!
という方が多くいらっしゃると思います。誤解を恐れずにわかり易い表現にしてみると
・生命にかかわる重要な医療分野の事がわかりにくい! ・保険制度だって複雑で医療関係者だってコストの事をわかっているか疑問に感じる事がある。 ・医療費の増大で保険制度の将来だって心配 ・薬店に薬剤師が確保しにくいなどの人員配置にも問題があるのではないか |
それなら
・一般消費者が便利に感じられて、安心して利用できる環境を考えながら、医療費も削減できる方法を考えよう ・自由競争原理を取り入れることでその問題は解決するのではないか? ・まずは一般小売業などで医薬品を販売できるようにすればどう? |
という主張です。
次のページでは、コンビニで薬を買えることが本当に必要なのか?を考えてみます>>