医療費高騰の真犯人とは
どうしたら、健康に生活できる? |
そして最初のページで、高齢化を含めて、それまで医療費が高騰する原因と考えられていた原因を5つ挙げましたが、その5つをすべてあわせても1940年から1990年まで、米国の総医療費が上昇した率の25~50%にしか寄与(関連)していないという結果がでています。*1
では、医療費が高騰する最も大きな原因とは何なのでしょうか?
実は、これは『医療技術の進歩』だといわれているのです。
例えば、日本でも、病院で死亡する直前一ヶ月前の人にかかった医療費は1兆円弱という試算がでています*2。全体の医療費の約3%ですよね。3%が多いか少ないかは感覚によると思いますが、そんなに小さくはないのはないでしょうか。そしてもちろん、誰を助けることができて、誰を助けることができないかは治療を始める時点では分からないわけです。
良い意味でも悪い意味でもなく、ただ客観的な事実として、『医療技術の進歩』つまり『今までだったら死んでしまうひとも助けられる技術』にお金が一番かかるという事実、つまり『医療技術が進歩し続ける限り、必ず医療費は増大する』という意外と知られていない事実があるということ(考えてみれば当然ですが)は知っておいて損はないと思います。
*1(Newhouse JP.Medical care costs:how much wealfare loss? J Econ Perspects.6,1992,3-21.)
*2 医療経済研究機構:「終末期におけるケアに係わる制度及び政策に関する研究」(平成12年3月)等を基に、厚生労働省保険局調査課において推計
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0729-9c.html