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「9割がよくある病気」って本当ですか?(3ページ目)

お医者さんが日常の外来診療でよく見かける病気って、一体どのくらいの数で何パーセントくらいをカバーできるのでしょうか?

山田 恵子

山田 恵子

医師 / 女性の健康 ガイド

東京大学医学部卒業。整形外科専門医、認定産業医。東京大学医学部医療情報経済学、ハーバード大学研究所客員研究員等を経て、東京大学医学部附属病院整形外科。ロコモチャレンジ!推進協議会委員。研修医や救急医療でのハードワークで体を壊してしまった経験を含め、現代社会で頑張る女性に役立つ健康情報をお届けします。

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じゃあ、その30個の病気って、どんな病気なの?

どんな病気が多いのでしょうか?
どんな病気が多いのでしょうか?
ズバリ、これが30個の病名です。
■脳・神経系
脳卒中、認知症、頭痛症、不眠、うつ、パーキンソン病

■呼吸器系
呼吸器感染症、喘息、閉塞性肺疾患(COPD)

■消化器系
胃腸炎、消化性潰瘍、便秘症、肝炎、肝硬変、胆石

■循環器
虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)、不整脈、高血圧

■腎・泌尿器
尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎)、前立腺肥大症、尿路結石、慢性腎臓病(CKD)

■内分泌・血液
糖尿病、高脂血症、甲状腺機能異常、痛風、貧血

■免疫系
慢性関節リウマチ、じんましん(食物アレルギーなど)

■がん

ちなみにこの病気の分け方は、からだの部位をその働きによって分類し、病気との因果関係がわかるような分け方になっています。病気の原因と症状は一つ一つの臓器だけの問題として独立して考えるよりも、その器官がからだの中でどんな役割を担っているかなど、機能によって分類したほうがはるかにわかりやすいのです。

ですから、病院の診療科もこういった分け方をしていますよね。

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さて、こういった30の病気が、本質的には一体どんなものであって、どう対処すればいいのかということをまとめたガイドの本が出版されます。

例えば「糖といえば体の栄養分、でも、糖尿病は血液中の糖が高い病気ですよね。じゃあ、栄養分=血糖が高いとなぜ悪いのでしょうか?栄養が多いのはいいことのような気がしませんか?」

といったソボクなご質問を解決する本になっています。

お医者さんはからだの専門家ですが、からだは一様に皆が持っているもので、お医者さんだけに任せはおけばよいものではなく、最低限のメインテナンスは自分でできたほうがよいと思います。少なくとも主な病気と症状は知っておいて損はないと思います。これは、例えばパソコンがうまく働かない時の対処法をいくつか知っておくと便利なのとそう変わらないともいえるかもしれません。

ぜひ、頻度の多い病気とその症状、予防法、付き合い方を知ることによってより安心した豊かな生活を送って欲しい、そう切に思っています。


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