駅前再開発の大きな魅力は資産価値
ゆりかもめでお台場と結ばれた汐留周辺は、オフィスや商業ビルが林立して賑わいが増した。 |
資産価値の高い理由としては、立地の希少性もあるでしょうが、合わせてできる商業施設やオフィスの利用者の増加も一因だと考えます。例えば前述の汐留エリアに近いJR新橋駅の1日の乗客数を見ると、2002年度が22万4759人、2004年度が23万1383人と増加しています(2017年は、27万7404人)。駅の利用者が増え、ランドマークとして多くの人の目に留まることというのは、資産価値で考えると重要な要素だと思います。
秋葉原・日暮里が大きく変貌
1990年代~2000年代で見ると品川駅周辺の再開発や、りんかい線と繋がりフットワークが拡がった大崎などが、駅前再開発の代表例です。そのあとに続いたのが、日暮里と秋葉原。つくばエキスプレスも開通し、ヨドバシカメラがオープン。IT関連産業の世界的拠点を目指した方向性のまちづくりで、今までの電気街から最先端の街へと大きく変化しました。鹿島建設分譲の「TOKYO TIMES TOWER」はその中にそびえ立つ地上40階の超高層タワーマンション。近未来を彷彿させるフォルムだけでなく新しい生活スタイルを楽しめる仕掛けとして、カフェやフィットネススクエア、スカイラウンジも設けられています。大規模な土地区画整理事業で誕生した秋葉原のランドマークとして今も高い人気を誇っています。 日暮里駅も再開発で生まれ変わった街の一つです。2007年度に日暮里舎人ライナーが開業し、ターミナル駅としての役割が増した駅。駅前に建てられた3棟のタワーマンションは、3階部分がペデストリアンデッキで結ばれ往来がスムーズです。駅前にコンパクトに生活関連施設が集まっているのも魅力で、谷中方面の眺望も素晴らしい。空港特急スカイライナーを利用すれば成田空港まで40分程度でアクセス可能ということもあり、分譲棟「ステーションガーデンタワー」や「ステーションプラザタワー」の流通価格は、分譲当時の価格より2割程度も上昇しています。「月島」駅 徒歩2分の駅前複合再開発タワー「MID TOWER GRAND」
駅前再開発の資産性が認知される一方で、用地が限られるため2018年の今は、検討できる物件も限られその分、注目度も高くなっています。「MID TOWER GRAND」(三井不動産レジデンシャル 丸紅 大成建設)は、中央区月島1丁目に誕生する地上32階建・総503邸のタワーマンション。銀座駅約1.8km圏、東京駅約2.5km圏に位置し、東京メトロ有楽町線「月島」駅 徒歩2分、都営大江戸線「月島」駅 徒歩2分の西仲通り商店街に面した駅前複合再開発プロジェクトです。総戸数503戸のうち分譲戸数は387戸。既に販売が始まった第1期1次189戸の価格は、5000万円(40.33平米)~2億6500万円(129.45平米)。最多価格帯は7000万円台。坪単価は434万円です。特徴的なのが32階の最上階にラウンジ、スパ、フィットネスなどの共用施設を集約しているところ。景色を楽しむガラスウォールの高さは約6m。東京ベイエリアの眺望を楽しみながらオフタイムを楽しめます。また、外観と共用空間のデザインに、世界各国で豊富な経験を持つ建築家、星野裕明氏を起用。月の柔らかな光、幻想的な風景、曲線美をモチーフとした「アーチ」を最上階・ペントハウスのルーフにデザインすることで、ユニークかつ洗練のフォルムに仕上げています。月島エリアは、数多くのタワーマンションが建ち並ぶエリアで、タワーの歴史を感じる街ですが、こうした特徴的な外観デザインの提案は、駅前再開発の進化を感じます。
駅前再開発は立地が限られているだけに、マンションとの出会いはタイミング次第です。現に恵比寿ガーデンテラスのような立地は、そんなに無いもの。希望のエリアで再開発がスタートすれば、まずは検討するのが鉄則かもしれません。