麻疹(はしか)でアトピーもひどくなる!?
同じに部屋にいるだけで感染する可能性が高いのが、麻疹ウイルスです |
■喘息も悪くなる!?
麻疹にかかると、風邪様の症状が出てきますので、喘息はひどくなります。麻疹ウイルスは喘息の悪化因子でもあります。
特に、麻疹の合併症に、間質性肺炎があります。
間質性肺炎は、肺は肺胞という小さな風船の集まりですが、その風船の間に麻疹ウイルスが増殖して炎症が強くなり、呼吸困難を起こします。
この間質性肺炎がひどくなると命にかかわるのです。
麻疹(はしか)ってどんな病気なの?
麻疹ウイルスによって起こる呼吸器感染です。麻疹ウイルスは、パラミキソウイルス群RNAウイルスに分類され、非常に小さなウイルスです。そのため、空気感染すると言われています。空気感染は、感染する範囲が広くなりますので、例えば、同じ部屋にいるだけでうつります。■症状は
口の粘膜にこのような白い斑点が出現します |
感染してから発症するまでの期間、潜伏期間は10~12日です。
- 咳
- 鼻水
- 発熱
- 発疹
- 眼球結膜充血・目やに
などの症状があります。特に、発疹は発熱後数日で出現します。発疹出現前後に、口の中に、「コプリック斑」と言って、白い斑点ができます。
麻疹(はしか)の合併症
■間質性肺炎
上述しましたが、風船である肺が硬くなって、呼吸困難に陥ります。人工呼吸器を使用しないといけない場合があります。
■中耳炎や肺炎などの細菌による感染症
麻疹にかかると、免疫が抑制されるので、細菌に対する抵抗力が下がり、中耳炎や肺炎になります。
■脳炎・脳症
麻疹に自然にかかると、1000例に1例の割合で合併すると言われています。
■亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
脳炎の一種で、麻疹ウイルスが持続して脳に感染し、麻疹感染後数年以上で発症し、症状が徐々に脳炎が進行し、神経症状が悪化する非常に予後の悪い病気。現時点では治療方法がありません。
■播種性血管内凝固症候群(DIC)
血管の中で、血の塊を作り、血を止める成分や血小板は少なくなってしまい、出血しやすくなる病気。体の至る所で出血してしまいますから非常に怖い病気です。
これらの合併症になると後遺症や命にかかわる病気です。
次のページでは、麻疹の治療についてご紹介します。