心臓病や脳卒中の死因がナンバー1の国ですから、ここまで踏み込むのでしょう。
ヨーロッパではイギリスのように既に6g未満になっている国があります。
塩(ナトリウム)の75%は自覚できない食品から摂取すると言われていますから、塩分の計算はとても困難です。加工食品の表示をよく読む、加工食品を控える、そしてヘルシー食を心がけることが第一歩です。
減塩ダイエットは必然的に穀類や肉料理の減少につながります。高血圧は糖尿病の合併症の原因のひとつですから、塩の摂取は先進国並みにしませんか?
『カップ』と『サービング』
アメリカの栄養指導の特長は身近にあるカップやスプーンで計量する姿勢です。1カップは8オンスですから240ml。日本の200mlとはひと回り違います。
今まで使われていたサービング(1人前)は誤解が多いので今回からはカップ(容量)とオンス(重量)で表示されます。
従来の野菜の1サービングは、生野菜なら1カップ、煮野菜やみじん切りの場合は1/2カップでした。肉の1サービングは生で3~4オンス、調理したものが2~3オンスです。いやはや……たいへんだった!
建前と本音は?
今までのガイドラインでも『ヘルシー食』を守っていた人は8人に1人というデータがありますから、あの巨体で私たちと同じ食事というのは気が遠くなりますね。もともと『アメリカ栄養ガイドライン』は医師や栄養士等の専門家向けのものです。すごいボリュームの詳細な数値が並んでいます。
今回はコンスーマーダイレクトの思想が入りました。読みやすいパンフレットも用意されています。
アメリカusdaの食品ピラミッド |
同じようなピラミッドが出来るのか、まったく別のものになるのか、どこからも発表がないのです。
できれば今春には……という発言もありましたが、どうなるのでしょう。見納めになるかも知れない『ピラミッド』をもう一度ご覧ください。
日本でも『フードピラミッドによる糖尿病の食事指導マニュアル』(医歯薬出版)という本が発売されていますから、今度のガイドラインによって内容の訂正が必要になるかも知れません。
そもそも日本のこの本は、健常者のためのヘルシー食を提案したUSDAの『フード・ガイド・ピラミッド』を、そのまま糖尿病食事療法に応用したために不適切な部分があります。たとえば、『いも類』などのデンプン質野菜を『野菜グループ』に入れてしまいました。
しかし、ポテト、さつまいも、スイートコーン、かぼちゃ、グリーンピース、豆類(大豆は除く)などの高炭水化物食品は、病態栄養学では野菜ではなくて穀類の仲間に入れるものです。
食品交換表でもそうなっていますね。
もちろん、アメリカの糖尿病食事療法の『フード ピラミッド』でも『いも類』は穀類や豆類と一緒にピラミッド底辺のボリュームゾーンにきちんと入っています。
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