健康と生活習慣病予防の『栄養ガイドライン』が2005年1月12日に発表されました。アメリカ農務省(USDA)と厚生省(HHS)のチームによるもので、5年毎に一新して今回のものが第6版です。
医師や栄養士の食事指導の基準になるものですから、日本の糖尿病者にも遠からずこの影響がおよぶでしょう。

新しくなったこと

アメリカは国民の3人に2人がオーバーウエイトあるいは肥満という非常事態ですから、まず、1日の標準摂取カロリーを5年前の2,200kcalから2,000kcalに減らしました。
そのうえでエクササイズ(運動)の必要性を具体的に3パターンにして強調しています。
  • 肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防のためには30分/日の運動
  • これ以上体重を増やさないためには60分/日の弱~中程度の運動
  • 減量のためには60分~90分/日の中~強の運動
かなりハードですね。

『栄養ガイドライン』は連邦法で制定

社会が急速に変わればライフスタイルも変ります。だから5年毎に見直すように法律で定められています。
食事の量を減らすときは栄養素の充実を計らなければなりません。
たとえば、従来のままで量だけ減らすと微量栄養素のビタミンやミネラル、食物ファイバーが不足することが考えられます。

そこで今回のガイドラインでは、パンや米、パスタなどの穀類の少なくても半分は未精白のものを取ることにしています。残りもビタミンやミネラルを強化(添加)したものを奨励する徹底ぶりです。
ガイドライン制定委員会を公開して、農作物生産業界、加工食品業界、食肉業界など関連業界が参画して検討したものですから、アメリカの食文化も大きく変りそうです。

もっと野菜・果物を、もっと減塩を

意外でしょうが野菜や果物は3大栄養素の中では『炭水化物グループ』なのです。ですから、インスリンの1ユニットを炭水化物(グラム)にあわせる1型糖尿病の人には気配りが必要なものです。
従来の食品ピラミッドでは野菜を3~5サービング、果物を2~4サービングとして、個人的好みの幅をもたせましたが、今回はその上限のみになりました。
また、サービング(1人前)というあいまいな単位をやめて、1日あたり野菜を2.5カップ、果物を2カップ取るようにしています。従来の表現では一律に9サービングです。
『カップ』と『サービング』は別項で説明します。