糖尿病/糖尿病食の注意点・注意すべき食品

糖尿病食事療法:上級講座(1) ポテト、食べちゃダメですか?

ポテトは食後の血糖上昇が速いので食べるなと指導されているけど、『肉じゃが』が好きだし、揚げたてのフレンチフライドポテトは我慢ができないほどおいしいなぁ!あこがれの『ポテト教室』です。

執筆者:河合 勝幸

ポテトは食後の血糖上昇が速いので食べるなと指導されているけど、『肉じゃが』が好きだし、揚げたてのフレンチフライドポテトは我慢ができないほどおいしいなぁ!
今回はあこがれの『ポテト教室』をご紹介します。


糖尿病者が注意することは炭水化物の量

ご飯軽く一杯(100g)=皮つきポテト(中)2個(240g)

食品交換表[表1]ではこの2つは等価(炭水化物36g)なのです。
安心して召しあがれ!


ポテトパワー、栄養満点です!

ポテトは栄養物の宝庫!
アメリカ人に『好きな野菜は?』と聞くと、ほとんどの人が『ポテト』と答えます。なんと年間1人あたり60kg以上食べるそうですから、日本人の6倍ですね。
でも、ポテトを"野菜"に分類することには多くの栄養学者が反対しています。
ポテトは高炭水化物食品で、ポテトだけでも生きていけるくらいの完全食品ですから、お米や麦のように『主食』に考えたほうがよいのです。
だから、病院で教わる『食品交換表』でもポテトは表1になっています。表1は糖尿病者が注意しなくてはならない炭水化物食品です。

余談ですが、食料不足の第1次大戦中のデンマークで、ポテトだけで生きてゆけることを身をもって証明した科学者がいました。ドイツに包囲されている中で、毎日ポテト(2~3kg)と少量のマーガリンだけで300日生活しました。ポテト(生)3kgで2,300kcalと60gの上質なタンパク質がとれます。皮ごと食べればビタミンもミネラルも食物ファイバーも取れます。

以下、ポテトの含まれる成分をご説明します。

カリウム
皮ごとのポテトはカリウムの宝庫です。ポテト1個(150g)で1日分の21%のカリウム必要量(USAガイドライン)が摂取できるくらいです。
加工食品やレストランで塩分(ナトリウム)を取りすぎている私たちは、意識してカリウムの多い食品を取ってミネラルバランスを計らなくてはなりません。カリウムは血圧を下げて心・脳血管系の病気を防いでくれますし、強い骨に必要なカルシウムをからだに蓄える作用もあります。

ビタミン
ポテトが南米から入ってくるまで、野菜・果物が少ない北ヨーロッパの人たちは"壊血病"で苦しんでいました。ビタミンC不足で血管を作るタンパク質コラーゲンが十分にできなかったからです。今でも欧米の食生活の中でポテトは大切なビタミンC源です。ポテトのビタミンCは加熱しても壊れにくくなっている優れ物です。

食物繊維(ファイバー)
皮ごとゆでたポテト中1個(150g)に食物繊維が3gもあります。これは1日の食物繊維目標射の12%に相当します。食物繊維は血糖上昇を抑えて空腹感を減らしてくれます。

抗酸化物質
からだをフリーラジカルから守ってガンや生活習慣病予防になる抗酸化物質は注目の的です。ポテトには特にグルタチオン(強力な抗酸化物質のひとつ)が多く含まれているのです。
カラー野菜(ブロッコリ、トマト、カリフラワー、オクラ、カボチャ、アスパラガス、アボガド、ピーマン、ニンジン、タマネギet)と一緒に取れば理想的です。
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