健康な人は必須脂肪酸のアルファ・リノレン酸やEPA、DHAなどは『食品』から取るのが望ましいと、アメリカ心臓病学会発行の医学誌が発表しました。『サプリメント』は医師のモニターが必要です。
[Circulation 18-NOV-2002]

魚を食べると頭が良くなる(!)という曲がいつもスーパーの魚売場に流れていて、少々アタマが痛くなる思いです。
オメガ-3脂肪酸とは聞きなれない名前かも知れませんが、欧米では必須脂肪酸を炭素の2重結合の位置から区別して、オメガ-6、オメガ-3と呼びます。リノール酸の系列がオメガ-6で、アルファ・リノレン酸系列の脂肪酸がオメガ-3です。『オメガ』とはギリシャ語アルファベットの最後の文字ですから、オメガ-3とは脂肪酸の端から数えて3番目の炭素に2重結合があるという意味です。
1970年代にはリノール酸が血中コレステロールを下げるということで大人気でしたが、今はオメガ-3がモテモテです。リノール酸は善玉コレステロール・HDLも一緒に下げてしまうということが分かったからです。
また、現代人の食生活にはリノール酸のようなオメガ-6が多過ぎることも別の問題になってきました。この2種類のバランスが重要なのです。必須脂肪酸はとても酸化されやすいので、取り過ぎは決して好ましいものではありません。

今では知らない人のほうが多いのでしょうが、竹と紙で作った『番傘』がどの家庭にもあったものです。あの番傘の特有の匂いがオメガ-3、オメガ-6のような多価不飽和脂肪酸の酸化したものです。油絵の具に使われているのもこれで、直ぐ酸化して固まってしまうので乾性油という分類のされかたもあります。

必須脂肪酸はからだが作ることが出来ない脂質で、ビタミンF(FはFatの頭文字)と言われた時代もありましたが、1日に必要な量がビタミン類のようにミリグラムやマイクログラムのオーダーではなく、数グラムは必要なものですから微量栄養素としてのビタミンの仲間からは外れました。

以前からオメガ-3系列のDPAは脳の中に多く存在することが知られていました。だから『サカナ、サカナ…』の歌ができたのでしょうが、魚を食べて頭が良くなったというエビデンスはもちろんありません。そういう短絡的思考は頭の悪い証拠かもしれませんから大いに召し上がってみてください。