ファーストフードは肥満や2型糖尿病の元凶のように言われることが多いのですが、もちろん真犯人はファースト・ライフスタイルにあるのであって、ハンバーガーだけが悪いわけではありません。
しかし、アメリカは面白い国で、つい数週間前にニューヨークの肥満男性が『太ったのはファーストフードのせいだ』として、マクドナルドと他の3社を告訴しました。
そうしたら早速にマクドナルドがフレンチ・フライド・ポテトをよりヘルシーにするとの発表です。
今回は揚げ油に含まれるトランス型の脂肪酸を48パーセント減らし、飽和脂肪酸も16パーセントカットするそうです。替りにリノール酸などの不飽和脂肪酸を167パーセント増やすとの発表です。値下げ競争に熱中している日本のマクドナルドがすぐ追従するかどうかは分かりませんが、アメリカでは10月1日から切り換えが始まって来年2月に完了とのことです。
油の組成脂肪酸がヘルシーになるのであって、フレンチフライの脂肪分が減るのではありません。カロリーは同じです。家で作るフライは油でベトベトしがちですが、ファーストフードではフレンチフライもドーナッツもサラサラしています。
その秘密は常温では固まってしまうヤシ油やショートニングにあるのです。トランス型脂肪酸というのは自然界にはない形をしていて、植物油に水素を添加して作ります。いわゆるマーガリンがその代表ですが、飽和脂肪酸と共に血中コレステロールを増やすとして近頃どうも評判がよくありません。