糖尿病/糖尿病対策の生活・運動療法

糖尿病ポリスとつきあう6ヵ条(2ページ目)

ある時、医師の紹介状を持って見知らぬご夫妻がお見えになりました。用件は「コントロールの悪い家内を叱ってください」とのこと。もちろん、大いに叱りましたよ。ただし、ご主人の方をね。

執筆者:河合 勝幸

糖尿病ポリスと和解する方法~レベルアップ編~

糖尿病ポリスの理解が得られてきたら、次の点にも注意しましょう。自己責任を明確にして、ちゃんと自分と向き合って…。よりよい関係を築くための方法をご紹介します。

4. 責任範囲を明確に
糖尿病ケアについての言い争いは、往々にして誰が何をするかという役割の混乱の結果として起こります。
私は今でも心を痛めている話を月刊『さかえ』(日本糖尿病協会編)で読んだことがあります。
それは食前血糖値が高いときは「ご主人(糖尿病)が勝手に何かつまみ食いした」と判断して、新婚の奥さんが食事の量を減らしてしまったのです。ご主人は空腹のあまり、ついにはトイレの天井にスナックを隠すようになってしまいました。
やがて離婚という不幸な結末です。
私が苦い思いをしているのは、この奥さんのやり方を聞いた栄養士(この記事の筆者)が、即刻やめさせるどころかグッドアイデアだと思っていたきらいがあることです。
いかに家族だって糖尿病者の食事を取り上げる権利も責任もある訳がありません。このご主人の場合はボーラス インスリンの増量で対応できたはずなんですから。奥さんはやり過ぎました。指導できない医療スタッフも無能でした。

5. 鏡の中の自分をよく見る
あなた自身の偏見や行動が、いかに問題を引き起こしているかをよく考えることです。
血糖コントロールが悪いのを、家族の協力のなさのせいにしていませんか?
いや、あなたが糖尿病をないがしろにして家族を糖尿病ポリスに仕立て上げているのかも知れませんね。
あるいは、あなたが糖尿病をネタに家族の関心をいつも集めたいのかも……
あなたの反省が変化への第一歩になります。

6. いざとなれば専門家の援助を
奥さんが食事療法を何もしてくれない不満から、夫婦関係がこじれにこじれて離婚に至った知人がいます。問題は糖尿病だけではないのでしょうが、家族の不信はとても重苦しくあなたの糖尿病ケアをさらに難しくしてしまいます。
このような問題は当事者でも解決するには難しすぎるのです。
家族療法に詳しい精神保健の専門家に紹介してもらえるよう医療スタッフに頼んでください。

いかがですか?あなたの糖尿病教室あるいは食事指導に配偶者が一緒に出席してくれるといいですね。
あなたの糖尿病に関心を持ちすぎる家族・友人(糖尿病ポリス)とあまりにも無関心な家族・友人。
どちらがベターでしょうか?
私は糖尿病ポリスの方が、迷惑この上ないけど愛情があるだけいいなぁ。

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