糖尿病/妊娠糖尿病・妊婦と高血糖

高血糖の母体だと赤ちゃんが危険?(3ページ目)

「母の日」にふさわしい話題が5月8日にNIH(米国立保健研究所)から発表されました。先天奇形と周産期のリスクを高める「妊娠糖尿病」の診断基準がより安全に変わるかも知れません。

執筆者:河合 勝幸

母体の血糖はそのまま胎児に入ります

ブドウ糖は大切なエネルギー源ですが、胎児が必要とする以上に与えられると胎児はインスリンを分泌する細胞を大きくしたり、数を増やしたりして余ったブドウ糖をせっせと脂肪に代謝して蓄えます。つまりお腹の中で肥満児になってしまうのです。だから正常な分娩ができなくなって帝王切開をしたり、新生児の高インスリン血症、低血糖に結びつきます。さらに妊娠合併症を起こしやすくなって、早産や胎児難産が多くなります。だから糖尿病のある女性の妊娠は計画を立てて厳格な血糖コントロールを行うのでしたね。

糖尿病がなくても、両親のどちらかが糖尿病だったり、25歳以上の妊娠、太り気味だったりすると妊娠糖尿病のリスクは高くなります。

一つでも思い当る女性は妊娠が分かった時点で調べてもらってください。その時点で異常がなくても妊娠24~28週で再度チェックされると思います。

HAPOスタディで病名がつかない程度のマイルドな高血糖でも油断してはいけないことが証明されました。「母の日」のプレゼントですね。

新しい診断基準が決まったらお知らせいたします。

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