特にインスリン注射が必要な1型糖尿病の宣告はつらいでしょうね。
アメリカの『ジョーンズ ホプキンス大学』という糖尿病研究の花形の大学にルービン博士という人がいます。糖尿病者を心理面から支えてくれていますが、皮肉なことに幼い子息が1型を発症しました。『糖尿病のことを15分ごとに思い出してしまう』という苦しい告白を自分自身でも聞かされているという話を伺ったことがあります。
糖尿病をなんとか受け入れようと努力をすればする程、『拒絶』の気持ちが強くなります。『なぜ私が……』という気持ちは誰もが抱きますよ。
頭の中が真っ白になって思考力がなくなってしまいます。この放心状態は心身のショックを弱める、からだの大切な防御機能と考えられています。
否認
『もしかすると誤診では?』と、本人も家族も祈るような気持ちで糖尿病であることを否認します。そんな遺伝じゃないのに……。怒りと敵意
ショックが収まってくると自分だけに降りかかった不当な仕打ちに『なぜ私がこんな目にあうのか』と怒りの感情が湧き起ります。医療担当者にも家族にも八つ当たりです。
そして予知、予防ができなかった病院関係者にやり場のない敵意をぶつけることもあるでしょう。
罪悪感と孤独感
『何が悪かったのだろう……』本人も家族も自責の念と悲嘆の毎日です。一段落して周囲が落ち着いてくると紛らわしようのない寂寥感に襲われます。人生でやりたい事が全て失われたように思われるのです。これを乗り越えなくてはなりません。本人の努力と家族の愛情が大切です。
あきらめと受容
つらい現実に直面しようとする時期です。そして自分の状態を受け入れることで新しい希望も生まれ、立ち直る段階に入ります。このプロセスは多かれ少なかれ皆が経験するものです。ここまで来ればひと回り大きな人間になって立ち上がれます。
大丈夫ですよ。糖尿病は人生をだめにするような病気ではありませんから。
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