無計画な妊娠は危険! 糖尿病と妊娠の注意
かわいい赤ちゃんが欲しい……。そのためには準備が必要です |
まず、気を引き締めるために悪いニュースからお知らせしましょう。多くの研究が、妊娠した糖尿病の女性は、流産や死産、新生児の奇形のような重大な経験をする傾向があることを示しています。
しかし、いいニュースもあります。今日では、妊娠する前から十分なケアを受けていれば、1型でも2型でも、糖尿病のある女性が安全な妊娠をすることは、もうありふれたことなのです。
なによりも大切なのは、気づかない妊娠初期の高血糖がトラブルの原因になることを知ることです。血糖コントロールで優良状態を確立するまでは、妊娠すべきではないのです。ベストな血糖コントロールと共に、安全な避妊法も学ばなくてはなりません。糖尿病のある女性の「出来ちゃった」妊娠は、いろいろな危険に直面することになります。
計画の初めから専門医に相談を
厳格な血糖コントロールと産科的ケアが必要な糖尿病者の妊娠は、計画の段階から糖尿病と妊娠の専門チームを持つ病院に紹介してもらうことが大事です。今までの治療記録を用意してください。医師はあなたの糖尿病の全体像を知ろうとします。糖尿病の年月、どんな治療法? 薬は何を? ヘモグロビンA1Cの記録は? 合併症の有無は?etc。
A1Cは5.8%未満の「優」が目標になります。胎児に対する経口薬の影響が不明ですから、原則としてインスリン治療に変更になります。そして合併症の検査も行われます。妊娠が糖尿病網膜症や糖尿病腎症を悪化させることがあるからです。
>>次ページでは妊娠中の合併症の注意についてもご紹介します。>>