女性のうつに特徴的なことってありますか?
妊娠・出産・更年期・・・女性は忙しい |
まず、「産後うつ病」。
いわゆるマタニティ・ブルーは産後3~7日以内には半数以上が経験します。これは、しばらくするとなにもしなくても自然と消えるのですが、程度が強すぎる場合や症状が消えない場合がありこれを「産後うつ病」と言います。ひどくなると「赤ちゃんを絞め殺したくなる」なんて場合もありますが、治療ですっかり良くなる場合も少なくありません。背景には子育てや夫との関係が変わることに対する不安やプレッシャーが大きいとも言われます。生活リズムも乱れて睡眠不足にもなりますし。
さらに「更年期うつ」があります。
これは更年期に女性ホルモンが一気に下がることによっておこる「ホルモン変動に対する脆弱性」が原因のうつです。月経がなくなることによって「女性でなくなる」みたいな不安もあるようですね。
ーーーーとすると、産後も更年期もうつになりやすいのですね…
そうともいえますが、ただ、一つ、「産後うつ病」も「更年期うつ」も、周囲、特に夫のサポートがあるかないかによって症状が大きく変わることが知られています。夫の理解があるかないかは本当に大きいですね。
ーーーーなるほど、それ以外ではなにかありますか?
「介護ストレスによるうつ」もありますね。
これは、介護そのもののストレスも大きいのはもちろん、介護にまつわる人間関係、例えばお嫁さんが1人で介護しているとか、また、介護のために仕事をやめなければならないなど、周囲のサポートの有無や社会的役割の変化の影響も大きいのですよ。そもそも断れない人に負担が集中する傾向がありますからね。
さらに最近では「不妊ストレスによるうつ」なんかもありますよ。
そもそも「女性は子供を産み育てるもの」といった固定観念から罪悪感を感じてしまっているまじめな方に多いかもしれませんね。役割の期待にこたえないといけないといったような。
ーーーーうーん、うつの原因だらけといった感じですが(笑)それ以外では…?
まだまだいっぱいありますよ。
「育児ストレス(子育ては母親の仕事で、どういう子供に育つかは母親の肩にかかっている、なんていう圧力からくることも多いのでしょうね)」、「結婚、主婦業にまつわるストレス(家事は女性がするもの、誰々の妻、お母さんとしか呼ばれないアイデンティティーの喪失、お嫁さんとしての立場につきまとう人間関係のいざこざ、経済力や仕事がないために自分のライフスタイルを選択できないといった問題)」、「職場ストレス(セクハラなど)」などなどです。
比較的、女性は役割になんとかこたえないといけないというような、まじめなところがありますからね。
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なんだか、人生がうつの原因だらけで、うつにならないほうが異常なような気がしてきましたが(笑)次回は「じゃあ、”働きマン”はうつになりやすいの?」など、まだまだ興味深い話は続きます。