うつ病/冬季うつ病・五月病・気分変調症・その他のうつ状態

長引かせると万年無気力の状態になることも・・・ 五月病が「アパシー」になる前に(2ページ目)

五月病が文字通りの五月病で終わらず、その後もずっと鬱屈した気分を引きずってしまう人もいます。せっかくの人生を憂うつなものにしないためにも、対処法について知っておきましょう。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

■大事なのは、まず自分の“アパシー”を自覚すること

「なにやっても、どうせ同じだよ」
「最近、なんか面白いことない?」
「毎日つまんないよね~」

以前はこまめに新しい情報を探したり、オモシロそうなものを見つけると体験してみようと思っていたのに、新生活を始めてからふとこんな言葉が口についてしまうことがありませんか?もし、こうした言葉が以前より頻繁に出ていて、何にも興味がもてない、感動することがなくなったと感じるようなら、アパシーの入り口に立っているのかもしれません。

人は一度強い失望を経験すると、無意識のうちに次も同じような失望感にかられるのを回避したいと思うようになります。そのため、何かにチャレンジしようとするたびに「どうせなにやってもたいしたことない」「チャレンジするだけムダ」と、最初から無気力になることで自分を守ろうとしてしまうのです。また、別のことに興味をもとうと思っても「どうせつまんないに決まってる」と決めつけたり、ちょっと始めてみただけでも「何やってもいままでとおんなじ」などと、早々にあきらめてしまうこともあるでしょう。このようにアパシーに陥ると、次から次へと連鎖して無気力感が深まっていくのです。

しかし、アパシーになったとしても、本人はさほどいまの精神状態を問題だと思っていないことも多く、何らかの解決を図ろうとしないためにずるずる失望感を引きずってしまうことも少なくありません。かといって、もちろん現状に満足しているわけではなく、「なんとなく毎日がつまらない」「昔はあんなに好奇心があったのに、最近はなんで興味がわかないんだろう」などと、気分がすっきりしないまま時を重ねてしまいがちなのはたしかです。

この状態から抜け出すためには、まず自分がアパシーであることを自覚することが大切。そして、さらにアパシーを深めないためにも、自分の思考や行動の傾向を探り、対策を考えていくことが必要になります。それについては、次のページで見てみましょう。

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