おいしいだけではない? チョコレートの持つ意外な科学的作用とは
気分がよくなるのはなぜ? チョコレートが含むトリプトファンとセロトニンの関係
チョコレートには、必須アミノ酸のトリプトファンが含まれています。トリプトファンには様々な役目があります。その1つが、血液中から脳内に入ることで、神経伝達物質のセロトニンの原料になる点です。セロトニンには気分を調節する働きがあり、脳内のセロトニンが不足すると、気分が落ちこんだり、イライラしたりしすくなります。トリプトファンが血液中から脳内に入ると、他のアミノ酸と一種の競争が起きます。血液中にトリプトファン以外のアミノ酸が豊富にあると、トリプトファンはあまり脳内に入ることができません。しかしチョコレートを食べると、チョコに含まれる糖分で血糖値が上昇し、膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンにはトリプトファン以外のアミノ酸を血液中から筋肉へ追い出す作用があるので、競争相手が少なくなったトリプトファンは脳内に入りやすくなるのです。その結果、脳内のセロトニンの量は増加します。
これがチョコを口にすると、落ち込んだ気分が軽くなったり、イライラした気持ちが落ち着きやすくなったりするメカニズムです。
恋愛中の気分? チョコレートが含む「フェニルエチルアミン」の効果と作用
また、チョコレートには「フェニルエチルアミン」と呼ばれる物質が含まれています。フェニルエチルアミンは別名、「LOVE MOLECULE」(日本語訳をすると「恋愛物質」)と呼ばれています。これは、恋愛をしているときに、脳内に分泌されやすい物質だからです。恋愛中は、相手と目があったり、手に触れたりしただけでドキドキするものですが、そのときの脳内では、この恋愛物質が分泌されています。また、フェニルエチルアミンはエンドルフィンと呼ばれる物質を脳内で分泌させます。エンドルフィンは麻薬のモルヒネに似た構造を持つ脳内麻薬で、快感をもたらします。
食べ過ぎは気分の落ち込みを招くこともあり逆効果! チョコレートは「適量」が大切
このようにプラスの効果もあるチョコレートですが、多く食べるほど気分がよくなるというものではなりません。これらのよい作用は、適量を食べたときに得られます。もし一気にチョコレートを食べてしまうと、血液中の糖分の量が大きく変動してしまうことで、逆に気分の落ち込みを招きやすくなりますので、ご注意ください。また、余談になりますが、いつもペットに癒されているという愛犬家の方は注意が必要です。チョコレートにはカフェインに似たテオブロミンという物質が含まれていますが、特に犬には危険です。人間と異なり、犬にはこの物質を代謝する酵素が不足しているため、体の外に効率的に排出できません。そのためもし犬がチョコを大量に食べてしまうと、テオブロミンの毒性が強く現れ、心停止が起きるケースもあります。十分に注意してください。







