痴呆の原因の2割を占めるとも言われる、アルツハイマー病。脳血管障害による痴呆と違い、進行した場合は、有効な治療法がないので厄介な病気です。それだけに、なんといっても早期発見が大切。「おや?」と思ったら、一日も早く専門医を受診し、早急にリハビリを始めなくてはなりません。その際に注意したいのは、初期症状が初老期うつ病とよく似ていること。発症は30~60歳と年代的に幅広く、若い人もかからないとは限りません。前兆をつかまえて、早めのケアを心がけましょう。
INDEX
初期症状は物忘れではない
こんなに似ている!アルツハイマー病とうつ病
性格の変化に気づいたら疑ってみて
こんな人はとくに注意を
早めに気づいてすぐにリハビリ
初期症状は
物忘れではない
ごく初期には、本人も家族も気づかないほどのささいなサインがあらわれます。それも頭痛やちょっとしためまいといった、日常的によくある症状。これがときに2~3年にわたって続くのですが、大事に至らないので「なんとなく不調」ですませてしまいがちです。さらに、不安感に駆られたり、夜眠れなくなったります。そして次第に消極的になり、うつ状態が続くように。まだ目立った物忘れなどが始まっていないだけに、周囲は「最近、多いといううつ病かしら?」などと考えがち。精神科は敷居が高いからと受診を敬遠しているうちに、やがて本物のアルツハイマー病へと進行してしまうのです。
こんなに似ている!
アルツハイマー病とうつ病
体調の異変
気分の異変
態度の異変
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