日照量の少ない季節の心の健康対策
日射量の少ない季節は太陽の下で過ごす時間を増やす事が心の健康対策の基本です。前頁で挙げた特徴が思い当たる人は散歩、ジョギングなど野外での活動を増やす事を考えてみましょう。また、運動自体、特に、有酸素運動には気分を良くする効果があります。ジョギング中、しばらく走っているうちにいつしか気分がすっきりしてくる、いわゆるランナーズ・ハイのように、有酸素運動は脳に快感を与えるエンドルフィンと呼ばれる物質を脳内に分泌させるので、気分は良くなりストレスも発散できます。炭水化物の摂取は脳内のセロトニンを増加させるので、脳内のセロトニンが不足しやすい、日照時間の短い季節は炭水化物、特に、甘いものへの欲求が増しやすいですが、炭水化物中心の偏った食事には注意が必要です。甘いものを一度にたくさん食べると血糖値が急上昇しますが、すい臓からインシュリンの分泌をもたらすので、血糖値は急低下してしまい、また、甘い物が欲しくなる悪循環が起きてしまう可能性があります。
言うまでもない事でしょうが、栄養のバランスも重要です。もしも、炭水化物中心の食事になっていたら、心身が潤滑に機能する為に必要なたんぱく質、ビタミン・ミネラル類が不足していないかチェックしてみましょう。また、サバ、いわしなどの青魚の油に含まれているDHA、EPAと呼ばれる物質には抗うつ効果がある事が知られています。冬季うつ病は冬季に日照時間が顕著に短くなる、フィンランド、アラスカなど高緯度の地域に1~2割程度の高率に発生しますが、ほぼ北極圏のアイスランドでは冬季うつ病の発生率がこれらの地域と比べて顕著に低い事が知られています。その原因の一つとして、アイスランド人の魚の摂取が多い食生活が挙げられています。
以下にこの季節における心の健康対策のポイントをまとめてみます。
- 天気の良い日は野外活動を楽しんでいますか?
- ジョギング、サイクリングなどやジムでの有酸素運動は心身の健康維持に役立ちます。
- 人それぞれのやり方があるものですが、ストレスは上手に発散させて行きましょう。
- 炭水化物だけといった片寄った食事にならないように気をつけましょう。栄養のバランスは心身の健康維持に欠かせません。サバやいわしなどの青魚には抗うつ効果のある成分が含まれています。