水虫の正体は?
白癬菌を培養するとこのようになります(画像提供:株式会社エスアールエル) |
少しややこしい話となりましたが、簡単に言うと
「水虫は白癬菌というカビの仲間によって起こる病気」
ということになります。
白癬は生じた体の部位によって、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、手白癬、足白癬、爪白癬のように表現されます。このうち、手・足・爪白癬が俗に水虫と呼ばれるものです。ちなみに股部白癬はインキンタムシ、体部白癬はゼニタムシという俗称もあります。いずれにしても、水虫は「感染症」ということになります。感染症といえば風邪、インフルエンザ、感染性胃腸炎などのように他の人にうつるのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。ではどのようにして白癬にかかるのでしょうか?
感染経路は本当にバスマットとスリッパ?
水虫の人のスリッパを履いても、簡単に感染することはありません |
ところで「水虫の人のスリッパをはいたから」「一緒のバスマットを使ったから自分も水虫にかかった」というお話を聞くことがありますが、実はこれ、必ずしも事実とは言えないようです。白癬は感染症の1種ではありますが、インフルエンザなどと違って、簡単に人から人にうつるものではありません。例えば健康な人の皮膚に白癬菌が付着して、そこから皮膚に侵入して感染が成立するまでには凡そ12時間は必要とされています。毎日きちんと洗っていれば、ここから感染する危険性は非常に少なくなります。
ただし、お子さんが水虫にかかっていることがわかったら要注意です。感染力の弱い菌ではありますが、大人がかかって治療せずに放っておいた結果、家庭内に白癬菌をばらまいてしまいお子さんに感染したのかもしれません。このような時はお子さんだけでなく、大人の家族も一緒に白癬菌に感染していないのか調べる必要があります。
次のページでは水虫の治療をご紹介します。