皮膚・爪・髪の病気/水虫・爪白癬

新しい水虫薬が続々登場!

これまで、第三世代といわれる水虫の原因菌に効果の高いブテナフィンやテルビナフィンは、単一成分のみで発売でした。2008年は、それに加え、かゆみ止め成分の入っている薬が各水虫薬メーカーから発売されます。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド

新しい水虫薬登場!

水虫
水虫の感染源に触れたらすぐ洗い流すようにして予防しましょう
Q:薬局で最近、新しい水虫薬が出たと聞きました。これまでのものと何が違うのでしょうか。

A:はい。お答えします。これまで、白癬菌(水虫の原因菌)に効果が高く医科向け医薬品としても使われる塩酸テルビナフィンや、塩酸ブテナフィンという第三世代の抗菌成分のみが入っている商品は市場に出ていました。今回は、それに加え、かゆみ止め成分が入った水虫薬が発売されたようですね。

水虫市場を見てみると、新しい水虫薬の登場は、1年に数社が新製品を出すぐらいのペースでした。しかし、2008年は、前述の効果の高い抗菌成分と、かゆみ止め成分が入った水虫薬が大手水虫薬メーカーから次々と発売されるという年ですので、薬局でも注目しているのかもしれませんね。

薬の承認状況を見ますと、ブテナロックを発売している久光製薬や、ダマリンの大正製薬、ラミシールのノバルティスファーマ、タムチンキの小林製薬が、これから第三世代の成分+かゆみ止め成分などを加えた製品を発売するようです。

先日、少し先に発売されましたので情報が詳しく開示されている武田薬品のスコルバEXという商品をご紹介します。

スコルバEXについて

水虫の原因菌である白癬菌に効果の高い塩酸ブテナフィン(ベンジルアミン系)という医療機関で使っている成分が入っています。

この塩酸ブテナフィンが含まれるOTC(薬局で購入できる薬)は、ブテナロック(久光製薬)、ラマストン(佐藤製薬)などがあります。
この塩酸ブテナフィンは、白癬菌の増殖をおさえ(菌の細胞膜合成阻害)、菌を殺します。

また、抗菌成分以外に、グリチルレチン酸、クロタミトン、l-メントールというかゆみを抑える成分が入っています。

グリチルレチン酸は、穏やかですが炎症を抑える作用があります。クロタミトンは皮膚に軽い刺激(しゃく熱感)を与えることで、かゆみを消失させる作用があります。l-メントールは、スーッとする薬に入っていることが多いのですが、この冷感の刺激でかゆみや痛みを抑える効果があります。

そして、患部の消毒・殺菌作用として塩化ベンザルコニウムが含まれます。これ自体は、白癬菌には効くわけではありませんが、水虫で皮膚が荒れたところに他の菌が入り炎症が起こるのを防ぎます(患部の二次感染防止)。

上記はスコルバEXの成分ですが、今後、他のメーカーから発売される水虫薬は主成分(塩酸ブテナフィンや塩酸テルビナフィン)は同じですが、一緒に配合されているかゆみ成分などが多少異なります。

>>次のページでは、水虫薬の使い方や注意などをご紹介しています!>>
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