究極の目標は「赤ちゃん誕生」という結果
Ｑ）貴院の理念を教えて下さい。Ａ）自らが続発不妊患者としての治療体験を有していることが、原点となっています。治療する側、される側、双方の体験を大切にしています。なかでも、Monash大のチームが施してくれた体外受精治療を受けられたことは何者にも代え難い体験でした。
不妊診療は、「無事に赤ちゃん誕生」という”結果”を出すことが究極の目標です。
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| ロビーの様子です。明るい雰囲気です。 |
現実に向き合う勇気も必要です。共通の目標を達成するために、よく話し合うのです。
個別の手作り診療方針が肝
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| クリニックの外観です。県庁のすぐ近くで交通の便が良い所です。 |
Ａ）本邦における不妊治療のガイドラインに従って治療を進めていくのは当然のことですが、保険診療である従来からの一般不妊治療と現時点では保険適用には成っていない高度生殖医療（体外受精を中心としたART)をどう調和させるのかが難しい課題ですね。
ステップアップ法を原則に少子高齢化による卵巣予備能低下で治療が時間切れと成らない配慮も必要とします。原則を貫きながら、柔軟に個別の手作り診療方針を立てております。
また、その必要性をご本人が十二分に理解されることが重要となります。
そもそも「赤ちゃんができる」とは何かを考える
Ｑ）貴院の治療へのこだわりを教えて下さいＡ）「不妊治療における検査、原因究明は大切ではあるけれど解釈が重要です。」
赤ちゃんが誕生することと、しにくいことの本質にまず向き合います。不妊治療は他の医学と少し違います。「病気を治すと健康を取り戻し、赤ちゃんができる」と云う内科診断学的な神話ではすぐに壁にぶつかります。
「どうして、私たち夫婦には 子供が出来ないのですか？何が”原因？”ですか？」とよく尋ねられます。
「ちょっと待って下さい。ちょっと話をもう少し前に戻して。どういうふうにして、赤ちゃんができるかを一緒におさらいしましょう」といって生殖生理を少しだけお勉強します。「結果を急がねばいけない方も、少しの時間考えて下さい。」と呼びかけるようにしています。
そして、以下の事もお伝えしています。
「まず、この世に生を受けた私たちは全てをうまく勝ち抜いたアスリートなのです。」
「お腹の中で、出来ては消え、出来ては消えていく受精卵の中で最後まで生き抜いてこの世に生まれてきたのが、たまのような みどりご 私たちなのです。多様な才能を持ったご先祖様の遺伝子が、配偶子つまり精子と卵子をつくる減数分裂の際に遺伝子のコピーと組み替えを行い多様な子孫となり、篩いにかかってなお生き残った赤ちゃんが明日の日本を背負う子孫と成って生まれて来るのです。」
「赤ちゃん誕生の裏に生殖すなわち子孫繁栄の為の神様の知恵、絶滅防止と進化の秘密が仕組まれています。」
はじめから、そうやすやすと赤ちゃんは誕生しないのです。それが授かり物と云われるゆえんです。
「自分を責めるだけでは、結果（赤ちゃん誕生）は出ません。」
「不妊治療が成功して赤ちゃんが誕生することは、ホームランを打つことに等しいのです。」
「不妊の検査、排卵、精液検査、および卵管通過性検査は、仕業点検、試合前夜の野球少年がスパイク、ミットおよびバットを磨いている段階です。三振のあとに特大のホームランを狙いましょう。打てない時は調整して、４番に復帰するのです。」と理解しやすいようにお話しております。
「特大のホームランを、ご夫婦に打たせる」のが私の使命です。授かり方の戦略を練りましょう。そのためには、自信を取り戻して、果敢に挑戦すること、忙しくとも子作りに少し時間を割くことも大切です。
タイミングをお知らせしたとき「主人はあいにく出張中です」という答えが返ってきます。私は即「どちらに、なに博多にですか？では今夜、遊びに行って下さい。」と申します。
そう、ホームランを打つには打席に立つことが、先決なのです。
次のページでは、心のサポートや今後の方針についてお話頂きました。
