人間の細胞の中で最も小さい精子に凄い力があるのには驚かされます。 |
今日は動物行動学から、「モテる女性が妊娠する理由」を書いていきたいと思います。
モテる女性は妊娠しやすい?
「モテる女性は妊娠しやすい?」 これだけ聞くといかにも俗説っぽいですが、今回は竹内久美子氏の『あなたの知らない精子競争』とロビン・ベイカー氏の『精子戦争』を読んだ上で、こう言われる理由をご紹介したいと思います。あまり知られていませんが、人間の精子には3種類あります。卵子に向かってひたすら走っていく精子、他の男性の精子が進まないようにブロックする精子、他の男性の精子を殺す精子の3つです。これは一夫一妻制の今では必要ないものですが、昔は人間も乱婚であったそうですので、自分の遺伝子を残そうとする名残といえるかと思います。
そうやって精子を競わせ、優秀な精子と卵子で子供を作ることで、より強い子供を作り出そうとする自然の法則だったようです。
また、人間ではないのですが、乱婚傾向にある動物の身体を調べると、体の重量に対する睾丸比が大きいこともわかっています。精子戦争に勝ち抜くために男性自身も進化をしたといえるでしょう。
また、ヒトの精子量を調べた実験によると、精子の数に大きく影響する要因は下記の通りです。
●前回性交からの時間
●その間のパートナーとの共有時間
●女性の体重
(マンチェスター大学のベイカー&ベリスの実験)
これは自分のパートナーとの滞在時間が長く、他の男性に精子を注入させられている可能性が低いと精子数は少なくなり、逆に他の男性に精子を注入されている可能性が高いと、他の男性の精子に勝たなければならないという本能で多くの精子を出すようになるようです。これは精子戦争(競争)と呼ばれています。
また女性はふくよかな方の免疫力が強く、妊娠しやすいことから、精子量も体重に影響されるとのことです。
上記の結果から、男性の本能をより働かせ、妊娠率をあげるための方策を書いていきたいと思います。
次のページでは男性の本能を働かせる条件についてご紹介します。