A)これは全国共通で、女性側、男性側にそれぞれ原因がありえますが、大切なことはきちんと妊娠しにくい原因を評価し、それに対して理路整然と理屈通りに対応していくことが肝要です。また、当院の場合、無精子症を中心にした男性不妊の治療で周知されており、全国各地から、最後の望みをかけて無精子症のご夫婦が沢山お越しになります。
ご夫婦の大きな期待に如何にお応えするか、如何に満足して頂くかをスタッフ全員で常に考え、努力しています。無精子症の男性でも、精巣組織中から精子を見つける確率が、当院では50%程度と極めて高く、また、見つけたわずかな精子で妊娠できる確率が70%程度と非常に高い成績になっています。精子を見つけ、如何に高い確率で妊娠して頂けるかのぎりぎりの対応を必死に、情熱を込め、こだわって、心がけている結果だと考えています。
病院特製のアメニティグッズの数々。アロマも自分達で選定したそうです。 |
Q)貴院の妊娠した患者さんの内訳を教えてください。
A)1年間の妊娠数が300例程度ですが、3分の1がタイミング療法、3分の1が人工授精、そして残り3分の1がART(生殖補助技術)によるものでした。しかし、近年はARTの治療成績が飛躍的に向上したため、人工授精での割合が減少し、ARTが明らかに増加しています。とは言っても、私共はご夫婦にとって必要最小限度の対応で妊娠に導くのが務めだと思っていますの、ARTはスペードのエースと位置つけています。
また、人工授精までの治療で妊娠が成立しない場合には、1回だけ体外受精を行ない受精障害の有無を評価する、受精テストを考案しています。受精障害がなく、腹腔鏡検査で奥さんの腹腔内に問題がなければ、人工授精に戻して反復します。高い妊娠率が得られます。
Q)治療上、こだわりのある部分はございますか?
A)生殖医療は明らかにチーム医療ですので、医師、生殖医療部、看護部、そして事務部、それぞれがプロフェショナルとして高いクオリティを維持しながら機能しているかに限りなくこだわっています。ご夫婦に心身両面にわたり本当に信頼され、満足して頂けているかが何よりの関心事で、その一点に置いて、私自身も含めて、スタッフ全員がチェックしあっています。
Q)貴院のARTについてお聞かせください。
A)ARTにおいては、体外に取り出した卵子や精子、または胚が如何に最適の優しい環境で育てられるかが極めて重要です。つまり、如何に卵管内の環境に近づけるかです。この取り組みには際限はありませんが、日々、この環境に近づけるための創意工夫をかさねています。ちなみに、当院の建物自体を卵管内部に見立てたイメージ作りで設計しました。
また、ARTに関しては技術的にとどまっていてはいけないというのが当院の考えです。毎日進化をして新しい希望の光を作り出すイメージですね。
Q)読者へ日常の生活上の注意点をアドバイスしてください。
食についての情報提供をボードや小冊子で行なっています。 |
A)まず食生活に気を配ってください。スローフードを意識した食生活が健全な身体を作り出します。そして明るく楽しい日々を送るように心がけてください。泣いていても笑っていても同じ1日なら、楽しく過ごす方が有意義なはずです。
病気だ、異常だ、普通じゃないなどのネガティブな考えを排除し、夢を叶えるための希望に溢れた、楽しい取り組みにしたいものです。ワクワクしながら、アドレナリンを一杯発散しながら取り組んでいくと、不思議に夢が叶うのです。二人三脚で一緒に夢を叶えましょう!
(この続きは来週に♪)