不妊症/不妊治療にかかる費用・助成金

不妊治療、なぜ費用が高く、待たされる?(2ページ目)

患者さんのニーズとそれに対する対応で不妊専門クリニックでは様々な対策を行っています。でもジレンマがあるのです……。ご存知でしょうか?

執筆者:池上 文尋

費用が高いワケ

PCO
高度生殖医療の場合、クリニックでは見えない多くの手間がかかります
高度生殖医療の費用は日本全国バラバラ。保険診療ではないので、その医療機関の自由な裁量により費用が決まっています。では、どのように決めているのでしょうか?

費用の高いところの特徴は下記の通りです。

・地価が高いところ
・スタッフ(エンブリオロジスト・ナース)の数が多く、よく教育されている
・設備が充実している

要するに地代や人件費の高いクリニックは都市部の便利な場所にあり、きめの細やかなサービスをしてくれるけれど、治療費も高いということになります。クリニックの経費も大きなものになっているということです。

しかし、逆に地代や人件費の安い地方のクリニックで治療すると費用も安めになるということです。場合によっては2倍程度の差が付くところもしばしば目につきます。

私の主観的な意見ですが、不妊治療の場合、「価格が安いからよい」というわけではないと思っています。公立の大学病院などの場合は10万円台で体外受精を行っていますが、そんなに多くのスタッフを使えないのでなかなか妊娠率があがりません。私の知っている大学病院産婦人科でも昨年の妊娠例はたったの数例と聞いてあぜんとした記憶があります。よって出来れば体外受精などの高度生殖医療を受ける予定であるなら、過去の実績をきちんと調べる必要性があると思います。ホームページ等で記述をしていない場合は実績がないかもしれないのできちんと質問をすることが大事です。

しかし、前述の地方の場合、安くて技術力の高いクリニックもあるので、通えるようならそういうクリニックで治療を受けられるのも一つの手かもしれません。今まで取材してきた地方のクリニックの中にもそういう都市部から通院されているクリニックもありました。

■関連リンク
みおクリニック取材記
ASKAレディースクリニック取材記

費用についても悩まれているドクターは多く、患者さんの負担をいかに少なくしていくのかを常に考えて治療をされているドクターも増えてきています。

選ぶ基準については、やはり自分の「利便性」「治療のレベル」「経済的な事情」「仕事の都合」「ドクターやスタッフとの相性」などを総合的に考えた上で選ぶとよいかと思います。都市部の場合は選択肢が多いので大丈夫ですが、地方の場合はあまり選択肢がないので、難しい部分があるとは思います。よって自分なりに調べてドクターと共に治療を進めていく姿勢が大事です。

治療費を安く不妊治療を進めていく方法については後日、特集を組みたいと思います。助成金情報、自分で出来る妊娠体質、治療方法と治療費についての解説をしていきます。
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