不妊治療に潜む「~ねばならない」の呪縛
お互いベストなタイミングを図るためにも良い夫婦間コミュニケーションが大事ですね。 |
クリニックや病院でも早く子供を作ってあげたいという気持ちから治療に熱をこめて、患者さんにアドバイスとサポートを行います。それも上記の状況を増長しているのかもしれません。
でも冷静になって考えてみると、不妊治療は身体の調子や仕事の関係でなかなか継続していくことは難しいし、続けていたとしてもそれが妊娠するのにベストな体調や精神的な環境とはいえないこともままあることでしょう。
しかし、「~しなければならない」と思うことで、逆にストレスを感じすぎてしまうことがありませんか? 今回はこのあまり良くない傾向について、考えてみましょう。
まずは自分の気持ちに耳をすます
私は今回、几帳面に治療を続けていらっしゃる方にあえて言いたいことがあります。それは、「治療は自分の身体と気持ちの乗っている時にしましょう!」ということです。
これはタイミング療法もIVFのような高度生殖医療も同じです。気分の乗らないときには休んでよいのです。特にIVFなどにおいては、強迫観念のように続けて行われる方がいるようですが、それは身体を消耗しているとしか思えません。極端な話、子供より治療されているご自身の身体の方が心配になります。
最近、高度生殖医療を専門にしているクリニックで数百万円使っているのですが、全然できません!というような投書が続けて私のところに送られてきました。詳しくその治療や生活の状況を書いているのですが、読んでいて、その痛々しさに涙が出そうになりました。
「なぜこんなにご自身の身体を痛めつけてまで頑張るのだろう?」と思ってしまいました。きっと周りからの無言のプレッシャーやご自身の子供へのこだわりなどがその行動に結びついているのだろうと感じました。
次のページでは、「不妊治療の正解・不正解」について考えます。