不妊症/不妊の悩み・メンタルケア

その強迫観念を捨てよう! 不妊治療の心得

日本の不妊治療をされている方々は、真面目で几帳面な人が多いもの。こうしなければという強迫観念は、決していいものではありません。肩の力を抜いて、今回の記事を読んでください。

執筆者:池上 文尋

不妊治療に潜む「~ねばならない」の呪縛

治療ストレス
お互いベストなタイミングを図るためにも良い夫婦間コミュニケーションが大事ですね。
先日も妊娠できるカラダ作りの細川さんとお話をしていて思ったのですが、日本の不妊治療をされている方々は真面目で几帳面な方が多い故に、治療を始めたら続けるべきものだと思っているし、治療がうまく行かなければ、ステップアップして高度な治療を受けなければいけないと思っている状況があります。

クリニックや病院でも早く子供を作ってあげたいという気持ちから治療に熱をこめて、患者さんにアドバイスとサポートを行います。それも上記の状況を増長しているのかもしれません。

でも冷静になって考えてみると、不妊治療は身体の調子や仕事の関係でなかなか継続していくことは難しいし、続けていたとしてもそれが妊娠するのにベストな体調や精神的な環境とはいえないこともままあることでしょう。

しかし、「~しなければならない」と思うことで、逆にストレスを感じすぎてしまうことがありませんか? 今回はこのあまり良くない傾向について、考えてみましょう。


まずは自分の気持ちに耳をすます

私は今回、几帳面に治療を続けていらっしゃる方にあえて言いたいことがあります。

それは、「治療は自分の身体と気持ちの乗っている時にしましょう!」ということです。

これはタイミング療法もIVFのような高度生殖医療も同じです。気分の乗らないときには休んでよいのです。特にIVFなどにおいては、強迫観念のように続けて行われる方がいるようですが、それは身体を消耗しているとしか思えません。極端な話、子供より治療されているご自身の身体の方が心配になります。

最近、高度生殖医療を専門にしているクリニックで数百万円使っているのですが、全然できません!というような投書が続けて私のところに送られてきました。詳しくその治療や生活の状況を書いているのですが、読んでいて、その痛々しさに涙が出そうになりました。

「なぜこんなにご自身の身体を痛めつけてまで頑張るのだろう?」と思ってしまいました。きっと周りからの無言のプレッシャーやご自身の子供へのこだわりなどがその行動に結びついているのだろうと感じました。

次のページでは、「不妊治療の正解・不正解」について考えます。
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