3) 先生としてはどのような改善法を考えられていますか?

この2年間、NPO法人不妊予防協会を設立し、フォーラムやマニュアル本の執筆において上記のような状況を解説し啓発活動に努めてきました。しかしながら、専門家には情報が伝わるのですが、一般の方や患者さんレベルにまではなかなか情報が行きわたらない事がわかってきました。

そこで私は私費を投じて、今年の春から不妊予防協会付設の不妊予防クリニックを設立し、患者さんとの対話を増やしていこうと考えております。
東邦大学
患者さんとの対話をどんどん進めるそうです。

今までの婦人科診療では保険診療ということもあり、なかなか予防という観点から検診や指導をすることが出来ませんでした。また、専門クリニックにおいては高度生殖医療の患者さんが多いのでそういう部分に力を入れることが出来ない状況がありました。

今回のクリニックではその間を取り持つ機能を持ち、今までの不妊治療の弱点を埋める存在になるべくコンセプトづくりをしております。

最初は今年の4月に東京都内に1ヵ所開設して、パイロットスタディ的に運営をして、その後、日本全国の心あるクリニックと提携し、予防の概念を広げていく予定です。

4) そのクリニックでは将来的にどのようなことをしたいですか?

実は色々と考えているのですが、先ほどの患者さんへの啓発、指導、不妊予防のための検診、高度生殖医療までの治療の他に資金的に余裕が出てきたら患者さんのための治療費の無利子融資なども出来ないかなと考えております。
東邦大学
運動も効果的に取り入れたいですね。

その時にお金がないので予防や治療のいいタイミングを逃してしまう患者さんがおられます。そういう方へのARTバンクは案の一つです。

また、年1回の生殖機能検査を出来れば思春期の早い時期から行えるような取り組みをしていきたいですね。若いうちに早期発見できれば治療の可能性が広がりますから。

5) 最後に何かありましたら

今回の取り組みは私の人生の集大成です。私は大学でも40年間不妊の研究や診療に取り組めましたし、医者として恵まれた人生を送ってきたと思います。そして、今回の不妊予防の取り組みは私の社会への恩返しでもあります。

出来るだけ多くの方々が不妊の苦しみに合わないような仕組み作りをする。これが使命だと感じております。

今年から色々と始動しますので、ご協力頂けると幸いです。

まとめ

オールアバウトでも食べ物や運動といった生活習慣、社会的な背景による不妊について取り上げてきました。しかし、今まではどちらかというと先生方は治療に意識が強かったのは事実です。

今回の久保教授の取り組みはドクターサイドからも予防医学を進めていこうという意思の表れだと思います。今後も継続してこのテーマは取り上げていきたいと思います。

久保先生、長時間のインタビューありがとうございました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

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