不妊予防とは?

今回は不妊予防協会会長、東邦大学名誉教授の久保春海先生に不妊予防についてインタビューをしてまいりました。久保先生は日本の不妊治療のオピニオンリーダーであり、今まで多くの学会の会長、本の執筆、若手ドクターの育成を行われてきた先生です。
東邦大学
久保名誉教授です。気さくな優しい先生です。

久保先生は今までの不妊症研究から「不妊予防の概念」を提唱されています。最近まで不妊を予防するという考え方はあまり世の中に普及しておらず、どちらかというと治療がメインになっていました。

しかし、不妊の原因が生活環境や社会環境に影響される部分が大きいということで不妊予防が大事だということがわかってきました。

それでは久保先生へのインタビューをご覧ください。


1) 不妊予防に力を入れておられますが、先生は何が大事なポイントだと思われますか?

私は常々から不妊は予防するに越したことはないと言っております。子供がすぐにできるというのは我々の世代の話で、今は出来にくい世の中になっているからです。ただ、そういうことを啓発している人がいないので、なかなか情報が伝わっていない状況をとても危惧しております。予防医学では病気にならないことはもちろん、病気になってしまった人でも、どうしたら早く回復できるのか、難治性にならないですむのかを患者さんと一緒に考えることを目的としています。
東邦大学
バランスのとれた食事も大事ですね。

2) 不妊予防の観点から不妊原因をどのように捉えられていますか?

まず、最近の不妊になるパターンを考えてみたいと思います。女性の場合、結婚の年齢が徐々に上昇していますね。さあ子供を作ろうと思った時にすでに35歳を超えていることもまれではありません。ここに晩婚、晩産の問題、加齢の問題があります。

最近ではアラサーとかアラフォーという年齢に結婚活動(婚活)という言葉が出てきていますが、下記のように不妊というより未妊の時期が長くて妊娠の時期を逸して、不妊に移行するというパターンが非常に多くなってきています。 

未婚(非婚)→未妊→未産→不妊

そして、現在はフリーセックス(性活)の時代になり、結婚しない方が増えました。何のために結婚するのか?結婚の意義は?という結婚に対しての価値観が多種多様になってきたのもその大きな理由だと考えられます。それから、STD(性感染症)、特にクラミジアの感染が若い女性に非常に増えており、感染してもほとんど無症状なことから気が付かないうちに不妊人口の増加に影響していることもあります。

そして、今の女性は性機能と生殖機能を使い分けている状況の中で、未妊。未産のホルモン環境では子宮筋腫や内膜症の増加のリスクも抱えている状況です。

マスメディアが芸能人などの40歳以上でも妊娠・出産したというようなニュースを流すので、稀なことという意識感覚よりも40歳以上でも大丈夫なんだと錯覚してしまうこともあるかと思います。

とにかく不妊予防と不妊治療の面で女性の場合は、加齢の問題、結婚の問題が大きく影響しているということを再認識してください。

そして一方、男性に目を向けると独身男性が増えています。特に経済的な面で結婚できない男性が増えている状況があります。

症状的にみるとSEXレス、EDの増加が顕著です。特に生殖機能は正常なのにEDや射精障害というケースが多く、恋愛したくない、恋愛は面倒だという社会性不妊から安易に出来るAVや風俗へ流れている傾向があります。