不妊症/代理出産・その他の不妊治療

エンブリオロジスト(胚培養士)とは?

高度生殖医療ではその治療においてチームであたります。そして、そのチームに欠かせないお仕事の1つがこのエンブリオロジスト(胚培養士)です。

執筆者:池上 文尋

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読者の方からエンブリオロジストってどんなお仕事なんですか?という質問を頂きましたのでこのコーナーでご紹介させて頂こうと思います。

高度生殖医療ではチームでその治療にあたります。そして、そのチームに欠かせないお仕事の1つがこのエンブリオロジスト(胚培養士)です。医師、看護師、エンブリオロジスト、不妊カウンセラーがそれぞれの特色を活かした時、不妊症治療の成功率は飛躍的にUP致します。


エンブリオロジストは日本語で胚培養士といいます。簡単に言うと配偶子や受精卵・精子を専門に扱う技術者です。その仕事内容は下記の通りです。

(1) 培養室の設計、管理、認可の獲得
(2) 培養室勤務員の統率管理
(3) 培養環境の管理、培養液の作成管理
(4) 精子,卵子の培養
(5) 授精操作(媒精、顕微授精)
(6) 受精卵,胚の培養
(7) 精子、胚の凍結保存
(8) 配偶子,胚の記帳管理


どんな人がエンブリオロジストになっているかというと臨床検査技師、看護師、薬剤師そしてバイオ系の大学や専門学校を卒業した人が多いようです。実は私は農学部系の大学を出ているのですが、私のような大学で卵子や精子を扱っていた学生やバイオテクノロジーに関わっていた学生にとっては非常に魅力のある仕事です。
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しかしながら、エンブリオロジストには色々な能力と常に新しい技術を知ろうとする向上心が不可欠です。この不妊治療の分野は日進月歩で技術が進んでいます。
よってその技術を確実に習得していく能力が必要とされるからです。

厚生労働省資料によるとエンブリオロジストに要求される能力は下記の通りです。

(1) 生殖医学の基礎知識
(2) 正確な技術
(3) 高い倫理性
(4) 医師との協調性
(5) 成績向上への努力

資格名は2種類あります。(しかしながら認定資格の公的有効性は日本ではまだありません。)

●胚培養士(日本哺乳動物卵子学会が講習と面接試験により認定)
●臨床エンブリオロジスト( Workshop(顕微授精、凍結保存等の実習)を受講した上に筆記、面接試験に合格した者を日本臨床エンブリオロジスト学会が認定)

今後は学会が中心にエンブリオロジストの資格テストの充実と資格の社会的向上が図られていくようです。今後が楽しみなお仕事といえるでしょう。

また近いうちにエンブリオロジストのインタビューも行う予定です。 この特殊なお仕事に携わる方にどんな質問をしようかと今からワクワクしているところです。

■関連リンク

「本邦での生殖補助医療(Assisted Reproductive Technologies: ART)におけるエンブリオロジストの役割とその現状」
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