虫歯/虫歯の予防法

歯に物が挟まる場合の対処法は?フロス・爪楊枝以外の方法と治療法

【歯科医が解説】歯の間に物が挟まって、歯ブラシだけでは取れず、爪楊枝やフロスを使わないといけない場合は要注意。頻繁に挟まるのを放置してはいけません。歯に物が挟まる原因とリスク、正しい対処法と治療法について解説します。

丸山 和弘

執筆者:丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康ガイド

歯に食べ物が挟まる原因は?

日常的に歯に物が挟まる・詰まるときの対処法

歯の間に物が挟まるのは、時間は解決してくれません。病院で相談することをお勧めします


食後、歯の間に詰まった食べ物を爪楊枝などで取り除いている方、いらっしゃいませんか? そもそもなぜ歯に物が挟まってしまうのでしょうか? 挟まりやすさが悪化している場合、そのまま放置しているとどんなリスクがあるのでしょうか?

一般的に歯と歯の間に物が挟まりやすい場合は、以下のようなことが考えられます。

■歯と歯の間に虫歯がある
歯と歯の間に虫歯があると、虫歯の穴に食べ物が引っかかり挟まりやすくなります。
 
■歯と歯の間に隙間がある
虫歯はないのに歯と歯の間に物が挟まる場合は、間に隙間(0.1~3ミリ程度)があることがあります。咬み合わせが原因で、歯が少しずつ移動して、隙間ができてくる場合もあります。
 
■歯と歯に段差がある
歯の咬む面が周りの歯より、一段高くなっていたり、低くなっていたり歯並びに段差があると、物が挟まりやすくなることがあります。

物が挟まるには適度な間隔が必要で、あまり大きな間隔になると逆に挟まらなくなってきます。食べ物でよく挟まりやすいのは、肉や野菜の繊維質が中心です。また歯の形態によっても挟まりやすい場合があります。
 

歯に挟まった食べ物を放置すると、歯周病や虫歯のリスクがあがる

歯に物がはさまったら
歯の間に物が挟まるのは、歯周病の危機?! 挟まった物を取り除いた後、水がしみるようになったら要注意!
食べ物などが歯の間に挟まると最初のうちはとても気になるものですが、時間と共に慣れてしまい、物が挟まっていること自体、あまり気にならなくなってしまいます。しかし物が挟まったままだと歯と歯肉にとても悪い影響を与えます。具体的には、次のようなことが起こってきます。

■歯周病が急激に進行する
一番大きな影響を受けるのは、歯肉です。特定の歯の間に物が挟まると、食べるたびに次から次へと同じ場所に物が押し込まれるように詰まっていきます。

挟まった物が機械的に歯肉を押し下げ、歯周病菌が繁殖して炎症を起こさせるダブル効果で、急激に歯周病が進行して、歯と歯の間の歯肉が下がってしまいます。

歯肉が下がると、さらにその部分に物が押し込まれてくるので、楊枝などでもどんどん取れにくくなり悪循環になります。ひどくなると、楊枝で物を取った後に、水がしみるようになることもあります。歯周病の原因や治療法は、「歯周病を悪化させるスパイラルとは?」や「歯周病(歯槽膿漏)の治療の流れ……歯石除去から手術まで」をご参考下さい。 

■虫歯になる
歯の間に物が挟まっていると、その部分から虫歯ができます。歯と歯の隙間から歯の内部に向かってトンネルを掘るように虫歯が進行しやすいため、虫歯ができても発見しにくくなります。
 

歯に物が挟まるときの対処法・治療法

歯に物が挟まりやすい場合、適切な方法で、対処・治療することができます。毎回爪楊枝や歯ブラシ、フロスなどで悪戦苦闘している方もいるかもしれませんが、根本的に解決するために一般的な治療法は、物が挟まる原因を除去することが大切です。

■歯と歯の間に虫歯がある場合
虫歯が小さい時は、詰めものを詰めます。大きな虫歯では、金属のはめ込みや被せ物を作って、歯と歯の間の隙間をなくします。

■歯と歯の間に隙間がある場合
被せ物がある場合には、それを外して隙間がなくなるように新しい被せものを作り直すこともあります。また咬み合わせを調整することもあります。

隙間をなくす様に詰めものを詰めたりして、歯の間に物が挟まらないようにします。

■歯と歯に段差がある場合
段差を削って滑らかになるように調整します。あまりに大きな段差の場合には、歯の神経を抜いてから、同じ高さになるように被せる場合や、親知らずなどでは、歯を抜くこともあります。

基本的には歯と歯の間の隙間をなくすことが重要ですが、物が挟まっても簡単に取れる場合であれば、無理に歯を削って治療するより、食事の度に取り除いていたほうが良いこともあります。

歯に物がよく挟まる方、食後に食べ物が挟まることが多くなった方、食べ物が挟まって取れないことがある方は、一度近くの歯科で診てもらってくださいね。

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