そもそも歯周ポケットとは?
歯と歯肉の縦の断面図です。黒い部分は歯石です。円の内部の空間がポケットの断面のように物が入りやすくなっているのが分かります。この部分を歯周ポケットと呼びます。 |
歯肉は健康な状態では、溝程度の深さで、歯と歯肉がピッタリと密着しています。汚れや細菌が溝に溜まり、歯周病菌が内部で炎症を起こすと、この密着が次第に剥がれてしまいます。そして炎症で溝の周囲の歯肉も腫れて膨らむため、まるでポケットのような袋状の空間が出来上がります。これを歯周ポケットと呼んでいます。
歯のどこにあるの?
歯と歯肉の境目であればどこにでも出来る可能性があります。つまり1本の歯の周りをぐるりと全周に溝があり、どこでも歯周ポケットになる可能性があります。しかも口の中の28本の全ての歯が対象となります。
歯周ポケットの問題点
歯周ポケットが出来ると次のような問題が起きます。汚れが溜まりやすい歯周ポケットができるような場合は、以前からしっかり磨くことが出来なかったような場所が多いのですが、それがさらにポケット状の空間になることで、内部まで歯ブラシが届きにくく、どんどん汚れが溜まりやすくなります。
腫れを引き起こしやすい
汚れが溜まりやすいため、歯肉が腫れやすくなり、腫れるたびに歯を支えている骨が溶かされ、さらにポケットが深くなっていきます。最後には、歯がぐらついて抜けることがあります。
歯がしみやすくなる
歯周ポケットは、歯と歯肉の密着が剥がれるため、水に敏感な根元の部分に水などが入り込み、歯がしみやすくなることがあります。
ポケットの中に汚れや細菌が溜まっている為、口臭が強く感じられることがあります。
歯周ポケットができる原因は、歯磨き不良による汚れの取り残しはもちろん、体の抵抗力が低下したり、ストレス、咬み合わせ、歯ぎしり等、複合的原因の場合もあります。
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