歯・口の病気/インプラント

チョット知りたい! インプラントって何?

大きな虫歯などが原因で歯を抜くことになってしまった…。でも最近よく聞くようになったインプラント(人工歯根)で治せば、抜いた部分に歯が元のように入るって聞いたけど、一体どうやるの?

丸山 和弘

執筆者:丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康ガイド

今までは歯を抜いてしまったら、そのままになっていた部分に、「インプラント」という人工の根を埋め込んで、歯を元の形に戻せるようになってきました。今回はインプラントについて解説します。


インプラントとは?

インプラントの構造
骨にチタン製の根を埋め込んでその上に歯の形をしたものを取り付けて人工的に歯を口の中に作り出す。
インプラントは、歯を抜いた後の歯肉の部分から、金属製の人工の根を骨に固定するように埋め込みます。この人工の根の上に歯に見える形のものを取り付ける治療法です。使用されている金属はチタン製が多く使われています。

最近のインプラント治療は、ほとんどがシステム化されていてます。さまざまなタイプのインプラントシステムがありますが、それぞれに特徴があります。1本のインプラントで一つの歯を作ることはもちろん、複数のインプラントを繋ぎ合わせることで、ブリッジを作り3本以上の歯を作ることも出来ます。



インプラントの特徴

抜いた部分に歯を作る事ができるインプラントのメリットとデメリットは大きく分けて次のようになります。

●メリット

    抜いた部分が元のように戻る
    今までは抜いたらそれまでだった部分に、金属の根を埋め込むことによって、抜く前のような歯の形に戻すことができます。

    歯を削らなくてよい
    普通、歯を1本抜くと、その抜いた両端の歯を削って被せる、「ブリッジ」と呼ばれるものを作りますが、インプラントでは両端の歯を削らないで抜いた部分だけに歯を作ることができます。

    入れ歯がいらなくなることもある
    インプラントは歯がない部分に新しい歯を作ることができるため、今までは入れ歯でしか対応できなかった場合でも、自分の歯のように作る事ができることもあります。

  • しっかり咬める
    入れ歯では、歯肉の上に力がかかるのどうしてもふわふわした感触になりがちですが、インプラントは骨に直接埋め込むためしっかりと咬む事ができます。

  • ●デメリット
    自己管理が問われる
    人工歯根だからといって、歯を磨かなくても良いわけではなく、インプラントは構造上、天然の歯よりしっかり磨かなければなりません。

    骨に金属を埋め込まなければならない
    骨に人工の根を埋め込むための手術をしなくてはなりません。またしっかりと骨に埋め込まれたインプラントは、外そうと思っても、入れ歯やブリッジのように簡単には外すことはできません。

    治療費が高額になる
    一般的にインプラント治療は、保険でカバーされないため、歯科の自費治療の中でも高額(1本で250,000~500,000円程度)になります。作る歯の本数が増えると費用もかさみます。

  • 全身的な疾患があるときは適さないこともある
    インプラント治療をする前には、まず全体の歯周病を治療しておく必要があります。また喫煙、糖尿病や骨粗しょう症などのケースでは、問題を起こすリスクは高くなります。


  • インプラント治療にかかわらず、どんな治療にもメリットやデメリットは必ずあります。治療に関しては、十分納得するまで、歯医者さんと話し合うことをお勧めします。

    次のページは、インプラント治療のトラブル防止について…に続きます。
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