ドライアイ/目の健康・アイケア

Aは青色に見える!? 共感覚の不思議世界(2ページ目)

共感覚とは、ある刺激を受けたとき、本来の感覚に加えて他の感覚が伴う現象です。視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚による五感のうち、それぞれの感覚同士が結びついてしまうのです。

執筆者:高林 克枝

共感覚はだれでもある

この分野で著名な神経科医師のリチャード・E・シトーウィックは『共感覚者の驚くべき日常』(草思社)を著し、近年注目されています。

彼は、「この共感覚は、普通の人でも日常生活で体験する直観・創造性・芸術的インスピレーション・洞察といったものの延長線上にあるものであり、自分の内的意識にアクセスしているにすぎない」と記しています。

例えば共感覚者は以下のような特徴があるのです。
  • 大人より子どものほうが共感覚を体験しやすい。
  • 過去の著名な画家、詩人、作家、音楽家などにも存在した。(例えば、ワシリー・カンディンスキー、アルチュール・ランボーなど)

    つまり、偏見や固定概念を脇へ置き、純粋で邪念のない意識状態にあるときに、「自分が知っていると思っているよりも多くを知っている自分の潜在意識」からの情報を得ているのではないかと著者は語るのです。

    普通の人でも共感覚があるけれど、その働きが意識にのぼるレベルの人は一部だけということですね。

    これまで人間の意識は、脳の表面にある皮質での理性の働きによるものと考えられてきましたが、著者はこの共感覚の研究により、脳の内部にある辺縁系とそこからの情動により影響を受けるほうが大きいのではないかと問いかけています。

    共感覚という特殊な認識を持たなくとも、普通の人が自分の本来持つ心の機能である、知的、実際的、情動的、美的、道徳的な情報源を大切にして、それを日々活用するという人間的な営みを見直していくことで、すべての人が自分自身の新たな世界を切り開くことができるかもしれないという期待を与えてくれています。

    もしかしたら、脳の働きの潜在能力はもっとすばらしいもので、それを積極的に生かすことで、人生がより豊かになるかもしれないとこの本からガイドは学びました。


    <参考資料>
  • 『共感覚者の驚くべき日常』リチャード・E・シトーウィック
  • 『ねこは青、子ねこは黄緑―共感覚者が自ら語る不思議な世界』パトリシア・リンダフィー


    【目の健康 オススメ人気記事】
    1位: 「乱視とは? 自分でできるセルフチェック」
    2位: 「まぶたのピクピクを治すには?」
    3位: 「オフィスで1分!癒しの無料動画」
    4位:「3分間ツボ刺激が疲れ目に効く!」
    5位:「 【目の美容】あなたの目のくまタイプは?」
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonでドライアイ対策用品をチェック!楽天市場でドライアイ対策用品をチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます