目の病気/その他の目の病気

子どもVol.3 子どものさかさまつげ(2ページ目)

赤ちゃんや子どものまつ毛が、内側に向き、常時目の表面にふれていませんか?もしそうなら、さかさまつげかもしれません。

執筆者:高林 克枝

赤ちゃんや幼児によくみられる「さかさまつげ」ですが、その状態により、どんな疾患を招くのでしょうか?

さかさまつげによる疾患とは?

目の充血やめやにだけでは済まず、目に炎症や傷をつけることもあります。これは乳幼児以上に成長し、まつげが硬くなり、角膜などに傷をつけたことにより細菌の感染を起こしやすくなることによります。これが進行すると、角膜の傷が慢性化し、角膜乱視を進行させ、視力低下を招くこともありますから注意が必要です。

  • 結膜炎
  • 角膜炎
  • 角膜びらん

さかさまつげの治療

治療法はいくつかありますので、眼科医と相談して、年齢と症状に応じた選択を行いましょう。手術は、女性に話題なプチ整形と同じ技術を応用します。

  1. まつげを抜く
    眼科医が顕微鏡でみながら、眼球をこすっているまつげを抜きます。
  2. 埋没法
    まぶた(眼瞼)の内側から皮膚表面に糸を通して結び、まぶたを引っ張り、まつげが外向きになるようにします。これは美容整形でいうプチ整形(重瞼術/じゅうけんじゅつ)で二重にするのと同じ技術です。
  3. 切除法
    皮膚を一部切除して縫合することにより、まぶたを引っ張り、まつげが外向きになるようにします。これは美容整形の(重瞼術/じゅうけんじゅつ)で二重にするのと同じ技術です。
  4. 毛根を破壊
    まつげの根元に細い針を刺して電流を流し、毛根を破壊して生えないようにします。女性の脱毛と同じです。

上記の治療ができない乳幼児は、まぶたの外側にテーピングをして外反させ、まつげが当たらないようにして成長を待つ方法もあります。

いずれにしろ、担当の眼科医とよく症状と経過を観察して治療の時期を決めることが重要です。小学校に入るまで成長しても放置しておくと、思わぬ疾患や視力低下を招く心配もあります。ご両親はご注意を!

監修:吉祥寺森岡眼科 森岡清史院長


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