認知症/認知症の基礎知識

呆け老人と呼ばないで ルポ・21世紀癒しの国のアリス(2ページ目)

痴呆症は誰にでも訪れうる病気。NPO法人「21世紀癒しの国のアリス」の世話人である高柳和江先生に、同団体が推進する安心して呆けることのできる環境作りについて伺いました。

執筆者:西川 敦子

日本を癒しの国に
こんな癒しの国が待っているのだとすれば、日本のわたしたちも痴呆に対する不安を抱かずにすむはず、と高柳氏。さて「21世紀癒しの国のアリス」が掲げる8つの理念とは以下の通り(要約)。


  • アリスが誇りを持って心身ともに安心し愛情豊かに生活できるよう、すべての環境を整える


  • それぞれの生き方を認め、社会の一員として暮らせるようにする。今までの人生を否定せず、社会的価値ではなく、人間的価値を認める


  • 生き甲斐を持ってもらう


  • アリスとアリスを見守る人にとって毎日が発見と感動であるよう努力する


  • 意思決定はアリス自身に委ねる


  • アリスと周囲の人々とのスキンシップ、コミュニケーションを大切にする


  • アリスを支える人々は心からお世話をし、自分自身が成長できる


  • アリスは自然に包まれ、最後まで楽しく生きる。人間らしくさようならと挨拶し、十分に生きたと周りに感謝しながら堂々と人生をまっとうすることができる



理想論と片付けてしまうことは簡単です。人手不足に苛酷な労働条件。介護の現場は混沌としており、出口を見出すのは容易ではない――。しかしビジョンを抱かない限り、「癒しの国」はやって来ないのではないでしょうか。


「21世紀癒しの国のアリス」ではパッチ・アダムス氏を迎えて講演会を行います。
理念に共鳴を覚えた方、ぜひ足を運んでみては?
8月31日(土)13:00~16:00 東京講演開催「パッチと語ろう21世紀の介護」
会場 昭和女子大学人見記念講堂
参加費 3000円(会員2000円)
問い合わせ 03-5295-7015

NPO法人「癒しの国のアリス21」
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