脳・神経の病気/脳梗塞・脳出血・くも膜下出血

妊婦死亡  50代にも多い「脳出血」とは(2ページ目)

夜間に脳出血を発症した32才の妊婦さんを19もの病院で受け入れすることができず、1週間後に亡くなるという事件が起きました。50代にも多い「脳出血」について、号外としてご紹介します。

執筆者:吉國 友和

脳出血を疑った場合の対応

脳出血
脳梗塞を伴いましたが、軽症で内科治療によって軽快されました。出血が次第に吸収されつつある症例です
残念ながら脳出血そのものに対して、ご家庭でできる治療はありませんので、何をすればよいか、ということが主体となります。脳出血を疑う症状としては頭痛やめまい・嘔吐、麻痺、急な意識障害の他、一方向だけを注視する共同偏視という状態が出現することがあります。こういった場合にご家庭でできる対応は
  • すぐに救急車を呼ぶ
  • 呼吸ができているか確認する
  • 血圧を測る
  • できるだけ動かさず、刺激を与えない
  • 持病を確認し、服薬手帳を準備する(病院での治療内容を確認する)
といったところでしょうか。

救急車をタクシー代わりに使用する人が多いことが問題となっていますが、一分一秒が生死を分けることもあります。もし脳出血を疑う徴候があった場合には迷うことなく救急車を呼びましょう。


脳出血が疑われたときの病院受診チェックポイント

  • その日の当直医の専門科を確認すること
  • CT検査がすぐにできるか電話で確認すること(放射線技師を呼び出し、更に機械をセットアップするのに数十分以上かかるため)
  • 自宅から一番近い総合病院を調べておくこと(自治体によっては救急当番日を指定していることがあります)
といったことが挙げられます。諸般の事情から受け入れができない総合病院もあることは事実です。何かあったときにどこで対応してもらえるのかは、かかりつけ医と相談しておきましょう。

通院は開業医、必要なときだけ救急・総合病院というのが理想です。総合病院志向の現状は病院機能を損ねてしまい、結果として勤務医不足に陥っています。不幸な事故を無くすためには構造改革だけでなく、国民ひとりひとりの意識改革も必要ではないでしょうか。

次のページでは実際に経験した脳出血の症例についてご紹介します。
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