19病院に搬送できず、妊婦さんが死亡

CT検査
CT検査の準備では、スイッチを入れてから検査が可能になるまで約15分間もかかることがあります
ニュースなどでご存知の方も多いかと思いますが、奈良県内の32才になる妊婦さんが分娩のため町立病院に入院中、深夜に急な頭痛を初発症状として脳出血を発症されました。ところが近隣の19ヵ所の病院へは搬送ができず、最終的に約60kmも離れた国立循環器病センターへ転送され、帝王切開術とほぼ同時に脳出血に対する手術が行われましたが残念ながら手術から1週間後に亡くなってしまうという、何とも痛ましい事件が起きてしまいました。担当医の判断ミスではないかと騒がれていますが、現場で仕事をする医師から見ると必ずしもそうとは言えない面もあります。

いずれにしても、同様の状況がみなさんのお孫さんが生まれるときに起こらないとは限りません。また、日本での脳出血の好発年齢は50~60代となっています。今回の50代からの健康法では、号外として脳出血の実際とご家庭でとることができる対処法についてご紹介します。


まずは脳出血の原因を知ってください

  1. 高血圧
  2. 先天性の血管奇形や動脈瘤破裂
  3. その他:外傷など
原因で多いのはこの順序です。お気づきの方がいらっしゃるかと思いますが、中高年層では高血圧が大きな原因となっています。高血圧といわれたことのない方でも、急な運動、精神的な興奮などによって、血圧が一時的に200以上に急上昇することがあります。動脈硬化などで脆くなってしまった脳血管は圧の上昇に耐え切れず、裂けてしまい脳出血やくも膜下出血を起こしてしまうのです。妊娠中毒症と呼ばれる妊娠時の合併症によっても、今回のように分娩時に脳出血をきたす危険性があります。

従って、一般的に脳出血の予防に最も大切なことは血圧のコントロールということになります。塩分制限だけでは血圧が下がらないことがありますが、日本人ではやはり塩分摂取過多も一因になっているようです。

■ 参考:脳出血の治療
脳出血によって脳がパンパンに腫れ上がる状態、いわゆる脳浮腫を起こしてしまうと、脳圧の上昇が原因となって脳ヘルニアという状態を生じることで生命の予後を左右します。このため最初に内科的治療として脳圧を下げ、呼吸や循環などの全身状態を管理します。その上で外科的に出血を止めることが必要となりますが、出血した部位によっては手術ができないことがあります。それは視床、橋(きょう)と呼ばれる部位です。これらの場所は脳の中でも脳幹部と呼ばれる生命の中枢が集まったところであるため、手術をすることは逆に命を縮めてしまいますので、仮に早期に脳出血が見つかったとしてもごく一部の例外を除いては手術ができないのです。

次のページではご自宅で脳出血が疑われた場合の対処法をご紹介します。