突然の意識消失や身体の麻痺…脳内出血の原因は?

手術

脳内出血を起こした場合、ほとんどは、血圧管理を中心とした内科治療を行います。しかしときには手術治療を行わなければならないことがあります

脳内出血とは、脳内の血管が破れてしまうことにより引き起こされます。「脳出血」という言葉もありますが、これもほとんど同義で、特に生活習慣病に伴う脳出血は、ほとんどすべてが脳内へ出血するタイプです(なお、脳内ではなく脳の周囲への出血は「硬膜外血腫」「硬膜下血腫」など、「血腫」という表現を使うことが一般的です)。

ちなみに、似たような病気で、脳梗塞がありますが、これは脳内の血管が詰まることによって引き起こされる病気の総称です。脳内出血と脳梗塞、くも膜下出血など脳の血管が原因で起こる病気を総称して脳卒中といいます。

それでは、どうして脳の血管が破れてしまうのでしょうか? ここで大事なキーワードは、「動脈硬化」です。動脈硬化のすすんだ血管は、血管の壁がもろくなるので血圧が高くなると破れやすくなってしまうのです。また、高血圧の方がコレステロールを下げ過ぎると脳内出血の危険性を上げることも知られていますので、定期的な血液検査も必要といえるでしょう。

ほとんどの脳内出血は、血圧が原因の事が多いのですが、脳動脈瘤や脳動静脈奇形といった先天的に血管の異常を抱えている人が中にはいます。この血管奇形は、MRI/A検査で体に負担をかけることなく検査できます。

脳内出血の前兆・症状…麻痺・感覚の違和感・ろれつが回らない

脳内出血の前兆を気にする方が多いようですが、実際には脳内出血にはほとんど予兆がなく、突然、発症してしまう病気です。

代表的な症状は、意識がなくなった、体の半身が動かしにくい(片麻痺)、感覚がおかしい、ろれつが回らない、言葉が思い出せない、視野が狭くなったなど多彩です。とくに注意した方がいいことは、「体の半身に症状が出る」ということです。右側の脳に出血を起こせば左半身に、左側の脳に出血を起こせば右半身に症状がでて、体全体に症状が出ることは極めて稀です。

ですから、左右に症状の違いがあるときは、脳神経外科あるいは神経内科を受診することをおすすめします。

脳内出血の治療法・後遺症・リハビリ期間の目安

出血量が少量であれば、血圧管理を行なって出血が吸収されるのを待ちます。出血量が多量の場合は、手術治療を行うことがあります。手術方法は、頭蓋骨を大きく開ける開頭血腫除去術と神経内視鏡を使った定位式血腫除去術の二通りがあります。どちらの方法も一長一短がありますので、患者さんの病状によって手術方法を決めます。

また、血管の異常によって引き起こされた脳出血の場合は、再出血の可能性が高いため手術治療を行うことがほとんどです。

手術治療はあくまでも命を救うために行う手術で、動かない手足を動かすようにしたり、言葉を喋りやすくしたりすることはできません。そこで、重要になってくるのが、リハビリテーションです。脳出血の場合、病状が安定していれば、入院早期から積極的にリハビリテーションを行い機能回復に努めます。リハビリテーションの治療期間は、病状によって様々ですが、多くは1~3ヶ月くらいです。中には半年以上のリハビリが必要になる方も。

脳内出血の予防法・再発予防法

脳内出血を予防するには兎にも角にも高血圧、糖尿病、脂質異常などの生活習慣病に注意すること。とくに重要なのが血圧管理です。まずは、自宅血圧を測定して、1週間以上起床時の血圧が、140/85を超えるようであれば、近所の内科を受診することをお勧めします。

塩分の高い食生活をしていると血圧が上がりやすいので、1日10g以下を目指しましょう。たとえば、お味噌汁や麺類のスープを残して、具や麺だけを食べることも有効です。コンビニやスーパーで売っている加工食品も塩分が多いので控えましょう(参考:厚生労働省 高血圧を防ぐ食事)。お酒は、肝臓の病気や糖尿病がなければ1合程度は許可できますが、タバコはダメです。

運動は、できれば8000歩から1万歩。軽く息が上がるくらいの運動がいいでしょう。なかなか時間が取れない人は、生活の中に運動を取り入れましょう。たとえば、エスカレーターを使わず階段を使うとか、バス停を一つ前で降りるとか、ちょっと家から離れているスーパーに行くなど、工夫をすればいくらでも体を動かすことができるはずです(参考:厚生労働省 高血圧症を改善する運動)。

みなさんの生活はいかがでしょうか? ぜひ、今日から生活習慣を見直し、できる方法で脳出血を予防するようにしましょう。
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