健康診断・検診・人間ドック/尿検査(尿酸値)

尿酸が高いのは内臓脂肪を蓄えている証拠

尿酸が高いというと痛風を思い浮かべますね。尿酸が高い人は中性脂肪が高い上に、中性脂肪を皮下脂肪でなく、内臓脂肪に蓄積してしまいます。今回は内臓脂肪と高尿酸の関係について解説します。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

健診の血液検査の結果で尿酸値が高い時には、高尿酸血症=痛風を思い浮かべますね。しかし、それだけではありません。尿酸が高い人は中性脂肪が高くて、その上に、できた中性脂肪を皮下脂肪でなくて内臓脂肪に蓄積しているのです。内臓脂肪と高尿酸の関係について解説します。

尿酸と脂肪酸の関係は?

尿酸
尿酸の構造:青は窒素、赤は酸素、灰色は炭素、白は水素
尿酸が高い人は中性脂肪が高い傾向にあります。尿酸は核酸の塩基成分のプリン体(アダニン・グアニン)代謝産物で窒素を含む化合物です。

一方、脂肪(中性脂肪)は肝臓で、糖と脂肪酸を使って、アルコールのグリセリンと3つの脂肪酸から作られます。プリン体と中性脂肪は一見交わるところがありません。

実はプリン体の前の核酸から話を始めない脂肪と尿酸は結びつかないのです。核酸は、塩基+糖+リン酸からできています。ただしブドウ糖のような炭素が6つの六角形の糖(6単糖)ではなくて炭素が5つの五角形の糖(5単糖)を含んでいます。

ここに尿酸と脂肪の接点があったのです。もっとも尿酸も脂肪も五角形の糖を含んでいる分けではありません。

肝臓が作った中性脂肪は脂肪細胞に蓄えますね。生化学の教科書では通常は皮下脂肪と内臓脂肪を区別をしていません。内臓脂肪と尿酸には意外な関係があったのです。

>>次のページでは、内臓脂肪と尿酸の関係を説明します。>>
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