健康診断・検診・人間ドック/尿検査(尿酸値)

尿酸が高いのは内臓脂肪を蓄えている証拠(2ページ目)

尿酸が高いというと痛風を思い浮かべますね。尿酸が高い人は中性脂肪が高い上に、中性脂肪を皮下脂肪でなく、内臓脂肪に蓄積してしまいます。今回は内臓脂肪と高尿酸の関係について解説します。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

内臓脂肪から返品は門脈から肝細胞へ!

腹部のCT画像
CTで見た内臓脂肪:紫は皮下脂肪、赤は内臓脂肪
単純に考えて内臓脂肪細胞の総量が増えると、内臓脂肪全体から肝臓へ返品する脂肪の量も増加します。脂肪細胞からの脂肪は、中性脂肪ではなくて、グリセリンと脂肪酸の形で返品されます。これは皮下脂肪でも内臓脂肪でも同じです。ただ、皮下脂肪から返品した場合と異なる点は、内臓脂肪からの返品した脂肪は門脈を通って、最初に肝細胞が取り込む点です。肝臓では何が起きるのでしょうか?

内臓脂肪と尿酸を結ぶ五角形の糖

肝臓では内臓脂肪から戻って来た脂肪酸を基に、また中性脂肪を合成します。この時に六角形のブドウ糖を五角形の糖に変える回路が活性化します。この回路は、簡単に言えば中性脂肪の合成の時に必要な水素を供給する回路です。

一方、この回路できる五角形の糖は、核酸の成分の糖として利用する糖です。核酸の材料となる糖が増加すると、核酸の成分である塩基の合成も増加して、結果として核酸の合成も増加します。核酸の合成が増加すると、核酸の代謝産物も増加します。つまり、尿酸の産生が増加します。

>>次のページでは、尿酸値が高いときに、どうすべきかを説明します。>>
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